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危機感、ヨロシク 3

「りょ、両国さんっ!!これは…!」
「ああ、両国くん、おかえり」
「え?何、やって…?」
「月島くんの目にゴミが入ったみたいでね、様子を見てたんだ。うん、もう取れたよ。痛くないでしょ?」
「は、はい…」
「なんでい!そうだったのか!いやーそれにしてもさ、なんだか腹が減っちまって、いろいろ買ってきたんだ。先輩もどうぞ!」
「ありがとう。両国くんは気が利くね。そういうの、いいと思うよ」
「あ…ほんとに?」
「うん。僕だったら絶対彼女にしたい」
「や、やだなあ、先輩ってばよ…」
「恥ずかしそうにしてるのも、かわいいね」

さっきまでのことはまるで何もなかったかのように、豊島園は両国をべた褒めしている。

「ねえ、両国くん、僕と付き合おうか?」
「え…え?え!?」

どれから手をつけようかと、食べ物を選んでいる両国に、豊島園のいきなりの質問。

「今言ったでしょ?僕なら絶対彼女にしたいって。君さえよければ、ね?どう?」
「ど、どうって…」

思いもよらない質問に、両国はとっさに月島の顔を見た。

「どうって言われても、なあ、月島?」
「な、なんで私に振るんですか…」
「あ、う、うん、それもそうだな」

二人のぎこちないやり取りを眺めながら、豊島園はくすくすと笑っている。

「何がおかしいんですかっ、先輩っ!」
「ごめんごめん!いや、微笑ましいなあと思って」
「微笑ましい、ですか?」
「うん、とってもね」



「今日はありがとうございました」
「こちらこそ!またいつでも来てね。二人のことはいつでも歓迎するよ」
「はい!では、失礼します、先輩!」
「またね…と、月島くん!ちょっと待って!」

踵を返した二人の後ろから、豊島園が月島を呼びとめた。

「なんですか?」
「ちょっとだけ、いい?」
「…ええ」
「ごめんね、両国くん。ちょっとだけ待っててね」

豊島園は月島を近くに来させると、ひそひそと話し始めた。


20100325




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