危機感、ヨロシク 1
※あまり意味はありませんが、両国がにょたです。
「やあ、いらっしゃい、二人とも」
「お久しぶりです、先輩」
「お邪魔します!」
「そうかしこまらないでよ、ね?二人が来てくれて、嬉しいよ」
さわやかに二人を歓迎するのは豊島園。久しぶりの後輩の訪問を、豊島園も喜んでいる。
「それにしても、災難だったねえ、両国くんも」
「ほんとに、まさか自分が女になるたぁ、まさか夢にも思わねえってやつで」
「でも、思ったよりもいいかもね…ふーん」
「変じゃねえか?」
「ううん、かわいいよ、とっても」
「か、かわいい…」
「ん?照れちゃったりして、ますますかわいいね」
優しい言葉とは対照的に、およそ外見に似つかわしくない、相手を物色するような視線で豊島園は両国をじろじろと眺めている。
「せ、先輩!なに見てるんですか!?」
「そりゃあ、僕も男だからね。女の子のことは見ちゃうよ」
「ですがっ…」
「ねえ、両国くん、絶叫系は嫌い?」
月島の話もろくに聞かず、豊島園は両国に話しかけてばかり。
「大好きですよ」
「そう、よかった!じゃあ、後であれ、一緒に乗ろうか」
「あと、あっちのも!」
「うん、いいよ。後で行こう」
―
立ち話もなんだからということで、豊島園に促されテーブルに着いた3人だが、豊島園と両国の会話はどんどん弾んでいき、月島が口を挟む余地がない。一人カヤの外な雰囲気が無性に腹がたち、月島は一人で先に帰ろうかと何度も思った。が、両国を残していったりしたら、豊島園が何をしでかすかわかったものではない。仕方なく、面白くもない話に月島は耳を傾けていた。
「ちょっとお茶でも買ってくるけど、先輩は何がいい?」
「両国くんに任せるよ」
「月島は?」
「お任せしますよ」
「おう!ちょっと行ってくる」
向かい合って座っていた両国がいなくなると、豊島園は月島に話しかけてきた。
20100325
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