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なかよしこよし
●about him*side C
どこが好きかって?
そんなこと聞いてどうすんだ?
うーん、まあ、知りてえっつんなら…

全部っちゃあ全部なんだけどな、いちばんはあの瞳だな。

あいつと初めて会ったのは戦場だ。お互い何も知らねえでな。
一番最初に目に止まったのはあの隻眼だ。ギラギラしてて、底の方には黒い炎が燃えてるみてえで、こいつは戦が好きなんだと思った。
あの瞳に捕らえられたら逃げられねえ、でも、人間ておかしなもんで、ダメだとわかっていても、そういうものにほどハマっちまうんだよ。
次があるなら、またあの瞳にお目にかかりてえと思ったんだ。


お宝探ししてたときも、最初の目的はお宝そのものだった。なぜかふと考えたんだ、あの瞳のことを。そしたら、足はそっちに向いていた。
あいつは、やっぱりあの瞳をギラギラとさせて挑んで来る。たまんねえよ。

あの瞳を手に入れたい。あれを自分のものにしたい。おもちゃを欲しがるガキみたいな感情だけだったはずなんだ。

海賊稼業って性分もあるが、もともと、ものに対しての執着は人並み以上にあった。だれかに対してこれほど固執したことなんてなかった。

でもあいつが手に墜ちたその瞬間に気がついた。
オレはあいつを手に入れたい。心も身体もオレに向かわせて、オレだけのものにしたい。

あんまりいい感情じゃねえかもな。
でも、止められねえ。
止められなかった。

あいつと肌を重ねて、もうひとつわかったことがある。オレはあいつを手に入れたつもりでいたけど、そうじゃなかった。

まあな。
めし作るのがうまいしな、ふん、料理上手はなんとやらとはよく言ったもんだ。
殿様だからやっぱわがままなんだけどな、さみしがりやだしなんかこう、放っておけねえんだよ。

なんつうか、かわいいんだな。






ミイラ取りがミイラになるとはよく言ったもんだぜ。


―終―
20081216







※わたしのチカダテ観元親側、みたいな。元親は政宗のことがだいすきです←今さら。



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