なかよしこよし
●キミヲオモフ
だいぶ冬らしくなってきたな。
どうだ、寒いか?
って、そりゃそうだよな。こっちよりもずっと北なんだから。
季節の変わり目だから、身体に気ぃつけろよ。
おれはよく風邪引いたりしてたな。
なに、昔の話だ。
風邪にいいからって生姜湯飲まされたけど、ガキの辛くて飲めないからって、はちみつ入れてもらったりしてよ。
とにかくひ弱だったからなあ。
歩けばつまづき、座れば寝込み、日に当たれば目まい、ってな。
なんだかなあ。
今じゃあ想像つかねえだろ?はっは、そりゃそうだ。
あの頃から比べれば、だいぶ丈夫になったからなあ。。
と、おれの昔話なんてどうでもいいか。
雪、もう降ったのか?
見渡す限りの白い世界ってのは、本当すげえよなあ。
初めて見たときはこれが現実かって思った。
雪ってよ、あんなにはっきり見えてるのに、触るとよ、とたんに手の中で消えていくだろ?
そのくせ、冷たさだけはちゃんと残していくんだから、
手に入れたと思ってもたやすく振りほどかれてるみてえだ。
なんつうか、こう、ひどいよな。
ひどい?
ちがうな、つれない?
んー…うまく言えねえが、おまえみたいだよな…
いや、なんだ、その、なんでもねえ。
ああ、こんなことが言いてえわけじゃねえんだ。
…
一人で回りくどいことばっかり言ってばかみてえだな。
そうだ、こんな話をしたかったわけじゃねえんだ。
ただ、
おまえに会いてえなって、それだけだ。
―終
20091123
※マイブーム一人語り。
乙女ゲームにはこの手の表現方法が多すぎます。
←[*]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!