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なかよしこよし
同棲じゃなくて、共同生活 2 現代パラレル♀

「休憩だ」
「へ…?」
「だから、休憩する」

近くにあったカフェに入ると、元親は席に着くなり、かかえていた大量の荷物をどさっとソファに置いた。

「ふぃーーー!重かった…やっと解放されたぁ」
「てめえ、もっと丁寧に扱えよ」
「あ、すまねえ…」

元親の所作に逐一目を光らせながら、メニューを見ることもなく、ウェイターを呼ぶ。

「お待たせいたしました」
「注文を」
「どうぞ」
「えーと、コーヒーをふたつ…」
「コーヒーはひとつ!あと、パフェ!」

やつがでかい声で言い放った注文に唖然とした。
ぱ…ぱふぇ…?

「申し訳ございません、お客様。当店ではパフェはご用意しておりません…」

ウェイターも苦笑いする。

「なんだ、ねぇのか…じゃあケーキは?」
「こちらにございます」
「じゃあこれと、あとロイヤルミルクティー。冷たいやつで、ガムシロップ3つ」
「かしこまりました。少々お待ちください」

メニューを見て、元親は何やら頼んだらしい。
ニッコリと営業スマイルを残し、ウェイターはメニューを下げた。
唖然としたままのおれは、コーヒーが運ばれてくるまで、言葉を発する気になれず、黙り込んでいた。

「お待たせいたしました」

すぐに、注文したものが運ばれてくる。

「以上でお揃いですか?」
「おう!」
「失礼いたします」

テーブルの上に並んだものを見る。
白いカップに注がれたコーヒーがひとつ。
背の高いグラスに入ったミルクティーはカラカラと氷が鳴る。
そして、やたらとでかい、白いプレート…

「なんだそれ…」
「なにって、ケーキ」
「じゃなくて…」
「あん?食いたいのか?なら頼めよ」
「そうじゃなくて…」

プレートの上にはケーキが5つ…ショートケーキとモンブランがふたつずつと、真っ赤なタルト。そのチョイスはなんなんだ。
だいたい、あんた、昼にだって、なんだっけ、なんかの定食にかつ丼つけて足りねえからって定食のご飯おかわりしてたよな。さらにデザートとか言いながらたいやき3つ食ってたよな。なんでそんなに食うんだ。

「疲労回復には甘いものがいちばん!てな」

そう言いながら、元親はミルクティーどばどばとガムシロップ3つを全部入れてストローで混ぜると、ちゅーっと一気に半分くらいすすった。

「うわ…飲めんの?それ」
「あめー!うめー!」

立て続けにケーキを素手でわしづかみしてばくばく口に放り込んでいく。行儀が悪いが、食う顔は幸せそうだ。しかしその組み合わせだと、舌が麻痺して甘みはわからならいだろうに…。

「ん?甘くねーなこのケーキ」

ほらな。
目の前にあったケーキもミルクティーも、みるみるうちにそこから消えていく。ああ、見てたら胸やけがしてきた。
ブラックコーヒーをすすると少しはましになったが、ちょっと…

「うーん!満足した!」
「そ、そうかい…じゃあ、出ようぜ…」

むかむかする胸を押さえながら、おれたちはカフェを後にした。

「まだ買い物すんだろ?」
「いや、今日はもうしまいだ。帰る…」
「おっ?そうなのか?じゃあそうしようぜ」

本当はほかにもいくつか買い物は残っていたが、今日はもう帰りたい…うっぷ。



―続
20091016

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