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最近では森にくるたびに泣いていた。

足を運ぶ度に、こうして泣いて戻るから。
兄や雪にますます心配をかけているのは解っていたが、いつも我慢することは出来なかった。

数カ月もの間、後悔と哀しみに苛まれた煌はすでに限界だった。



それでも。

もし嫌われていなかったら、泣く煌を見たらきっとセイは気にするだろうから。

優しい彼はきっと。
嫌われていたとしても、煌を見捨てられないだろう。

セイに迷惑をかけたくはないから、訪れていないのを確かめしばし落胆した後、泣かずに森の中を一人で探検したりしているのだ。

二人で遊んだ場所で一人はとても寂しかったけれど。
ヨウもいるのだし寂しくなどないから。

泣いてはいけないのだと幼いなりに考え自分に言い聞かせた。



昼も一人で、滝壷の石舞台ですませて。
しばらくその場で空を見上げていたりしたが、ヨウを伴いまた森へ戻り楽しむ努力をした。


けれど。
陽が傾き始め、暖かかった風に微かな冷たさが混じりだすと。

心の片隅に無理矢理押し込めていた重い哀しみが、瞳から零れ落ちた。

一度、雫を零せば後はせきを切ったように、とめどなく溢れて止まらなくなった。


やはり今日も会えないのだ、と。


何度も何度も繰り返した哀しみは、涙となって零れて止まらなかった。



その上今日は。
夕闇が辺りを包んだ今も。
帰らなければいけないのに。
兄や雪に心配をかけてはいけないのに。

絶望に苛まれ、煌は立ち上がる気力が湧かなかった。


*


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