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おはなし
おまけ

早朝。虎治から突然の電話。駅についてこれから学校に向かう時だった。

「もしもし」

『しおざかおはよー』

「おはよ。どうした?」

『うんー…今日モモ休み』

「モモ?朝練だけ?」

『放課後も。両方。多分、後にモモからメール来ると思う』

「モモどうかしたのか?」

『…それ聞いちゃう?』

「なんで休みかくらい聞いてもいいだろ」

『……』

「…もしもし?虎治?」

『…もーっ潮坂空気読めよなー!』

「はっ!?ちょ、」

ブチッ

切りやがった…!なんなんだよ、こっちがもーっだよ全く!


***


潮坂のヤロー!なんでかって?

「うっ…いたたたた…。おはようございますとらじさん」

「おぅ、おはよ」

空気読めよなー!KY!

「大丈夫ー…なわけないよな」

「ちょっと…腰が、いたいです」

昨夜はそれなりに燃えた夜だった。もうお互いわけ分かんねぇくらい頭ん中ぐちゃぐちゃで、さ。
でも明日は部活ってことは分かってた、分かってたけどさ…怖いな、オトコの理性と忍耐力のなさってのは。

「い、入れるつもりはなかったんだって!ちょっと触るだけ、なのになんか頭ん中プッチーンって来ちゃってさぁ…気付いたらモモがぐったりしてるわけ!わぁやっちまったみたいな!」

「わ、分かりましたんで静かに…頭も痛いんで…」

「お、悪ィ…」

「あの、朝練…早く行かないと…」

「あぁ、潮坂にさっき俺から電話してモモは休み、つっといた。だから今日はゆっくりしてな。一応、メールは送っとけよ」

「あ、すみません…ありがとうございます。送っときます」

「んー…じゃあ、言ってくる。鍵かけとくし、なんかあったらメールしろよ。昼はなんか適当に食っといて」

「冷蔵庫にヨーグルトしかないのにですか?」

「うるせー」

モモの手を取り、額にちゅーしてやった。それから目が合ってお互い顔が赤くなる。

「い、いってらっしゃい…」

ベッドに寝転びそこからのいってらっしゃい…やべーっマジでカップルじゃん!いやカップルだけど!


***


モモ
本文:おはようございます(^^)/
虎治さんから聞いてるとは思うのですが、今日は体調が優れないので学校自体休ませて頂きます(´`)
申し訳ありません;

「見ろこれ!これが正しい欠席とその理由の述べ方だ、見習えっ」

…と、モモからのメールを俺に見せつけてくる潮坂。

「あーもうっ悪かったよー!分かったから携帯しまえっ」

「ったく、朝っぱらから電話が来たと思ったら空気読めとか言われるしなー…」

「だから悪かったってばー!」

潮坂機嫌悪いなー。そりゃあれは俺が悪かったけどさぁ…謝ってんじゃん!

「まーまー潮坂さん。虎治さん超謝ってるし、ここはれおのちゅーで機嫌直して下さいよ」

「余計不機嫌になるわっ」

「なんで?」

「マジで!本当に悪かった潮坂〜!今度メロンパン好きなだけ奢るからっ」

「…本当に好きなだけだな?」

「そんなんで許しちゃうんだ。え、れおのちゅーよりメロンパン?マジで?リアルに凹むわ」

「レオ、潮坂さん先輩だから。敬語敬語」

「お前ら、下らない戯言はいいから整列。ったくこれだから非リア充は…」

「森野マジで俺キレていいかな?」

そんなわけで、朝練は終わった。

「お疲れ〜」

「お疲れ様です!」

部室で着替えてる時だった。玲雄磨に背中の傷を指摘された。

「あれ、虎治さん背中のソレなんすか?すげぇ傷…」

「わっ本当だ!痛そう〜…大丈夫ですか!?」

「へっ?あーこれは…」

昨夜モモに付けられたのだ、多分。背中に腕回されて、すげぇキツく抱き着かれたんだ。そん時の傷。

「…へぇ〜結ばれて早々お盛んっすねぇ」

「はっ!?なんのことだ玲雄磨!」

「昨日モモとヤったんしょ?れおには分かりますよ、その傷」

「…ってか、なんでお前知ってんの?」

「昨日モモから相談されたんすよ、あとムネも。で、放課後決着つけるつってたんで…」

「…っまぁ、ヤったけどさ…」

「うわー!」

「なんだよ〜!お前こそ潮坂と付き合ってんだろ、だったらヤんねぇの!?」

「潮坂さんとはまだっす、ね〜潮坂さん」

「う、うるさいなぁ…朝からそういう話はやめろ!てか虎治…モモと…」

「あーうん、付き合うことになった」

「マジで?」

「どうだ森野、これで非リア充とは言わせねぇよ!?」

「虎治よかったな…でもなんか全然羨ましくない」

「うるせー!」

「虎治さんおめでとうございます!」

「ムネありがとな〜!お前も早くナナちゃんとくっつけ!」

「へっ…!?ちょ///」

「お疲れ様ですっお先に失礼します!」

「おぅナナちゃんお疲れ〜!ムネも行けよほらっ」

「あ、はいっ…お疲れ様です!」

「リア充になって早々虎治うぜぇw」

「え、じゃあ…モモが今日休みなのって…」

「告って早速ヤったんすよ、この二人」

「こら虎治!」

「だってよ潮坂〜!付き合ったなら好きなコとヤりたいのは当たり前だろ〜?」

「当たり前で済ますなよなー!」

「そうっすよ潮坂さん!れおだって潮坂さんとヤりたいっす!さっさとれおに処女下さい!」

「さっさとやれるモンじゃねぇし!」

やっぱ潮坂と玲雄磨がいるからわりと言いやすかった。それにみんな偏見なしに受け入れてくれるし、当たり前に接してくれるし…。

「みんなありがとな!こんどメシ行こうぜ!ワリカンだけど」

「ワリカンかよ」

初めて付き合うコは可愛くて年下で、もっと言えばセミロングでテニス部かダンス部のコが良かった。
モモは年下以外になにひとつ当てはまらない、でもオトコだけどよく見りゃ可愛いし気遣いだし趣味合うし礼儀正しいし。全然いい。

「虎治」

「潮坂…」

「モモ泣かすなよ」

「あぁ…。違う意味でもう泣かしてるけど」

「そういうのやめなさい」

*おまけEND*




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あきゅろす。
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