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小説【腐 夢 混在】
優しい痣【土銀 暴力】






土方は、時々俺を殴る。








「銀ちゃん、それ、どうしたアルか?」



「あ、ほんとだ。

銀さん、アザ、できてますよ。


こんなところに、どうしたんですか」





俺の左腕の肘のあたりに、青アザ。





「あ、これはな、あれだ。

このまえ明け方帰ってきたときに

玄関で転んじまってよー


あの、カドで思いっきし打った」




「ただのアホだったアル。

ちゃんと包帯巻いとけヨ、頭に」



「ちょっと神楽ちゃん、湿布持ってきてー



…銀さんも年なんですから、

若い頃の自然治癒力に

頼りきらないでくださいよ」



「わーったわーった!

神楽サンキュ、自分で取りに行く」




「はいヨー」










転んだなんて、嘘だ。





打ったときにできたアザだなんて、嘘だ。














『てめェが俺のそばから

離れるからだろうが。




…銀時、



ちゃんと俺のこと好きか?





お前は俺のこと愛してんだよな?』








土方の声がよみがえる。







好きだ、よ、


と、途切れ途切れに言葉を紡ぐと、




そうか、







と安心して俺を抱き締めた。









『じゃあもう

あの店に飲みにいく必要はねえよな?』









…え、なんで













俺がそういうと、

土方は冷めきった瞳で俺を見た。





『俺といることより、

そこに飲みにいく方が大事なのか?』

















…!



…ちが、ひじ…かた……!!






俺の小さな悲鳴は暗がりに消えた。




土方の悲しそうな目が俺を刺す。



そして、土方の拳が



俺の腕に、



腹に、



背中に、













ごめ、なさ…いっ……、




もう俺の声は土方の耳には届かない。











ひじ、かた…





痛いよ、ひじかた、









『…銀時が、


俺から離れていくのが嫌なんだ。




銀時、ぎんとき、ぎんとき、ぎんとき、




あいしてる、』









そう言いながら、俺の背中を蹴る。









っぐ…!

っあ、ゔ、







くるしい。




なんでこんなことするんだよ、ひじかた、








そんなことしなくても、


おれはちゃんとおまえをあいしてる、のに













離れていったりしないのに、








っ、い゙っ…だ、



っあ゙、


















もう、身体中アザだらけだろう。







それでも俺が抵抗しないのは、





拒むことで、土方が離れていくのが怖いから。










土方に、嫌われたくねえんだ

















「銀さん、どうしたんですか。


ボーッとして」




「…お、おう


…ぱっつあんよ、湿布ってどこだっけ」





「結局わかんねーのかヨ」















俺に他の選択肢はない。








これが土方の愛の形なんだと、






これで、いいんだと










俺は自分に言い聞かせながら、
















土方に呑み込まれていくんだなって



























このカラダのアザも、君からの愛の証
俺の呻きと涙は、君への愛の証

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あきゅろす。
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