時は過ぎ去り…
リナリーと水琉が
初めて会った日から、早いもので
2年ほどが過ぎようとしていた。
リナリーはトラウマを多く抱えるようになっていった。
増えていくトラウマから
救い出してやりたいのに、
出来ないでいる水琉は、
自分がもどかしかった。
―…やっぱり、
“兄さん”じゃなきゃ…
無理なのかな……
そんな時、一人、自分と同じ10歳くらいの子供が、教団に入ってくるということを聞いた。
―どんな奴だろう??
リナリーとも仲良くしてくれる奴だといいんだけど…
そんな事を考えながら、いつものタンクトップと黒のスーツっぽいズボン姿で、教団内をうろつきながら水琉はリナリーのもとへ向かった。
最近ではリナリーの部屋に通うのが日課のようだった。
――――…・・・
しばらく歩いてリナリーの部屋へノックをして入り、話していると廊下が騒がしかった。
―おや、どうやら新入りが到着し たようだね。
「水琉…どうしたのかな??」
『リナリー、
今日ね、新しいエクソシストの子供が来るらしい。』
「新しい子…」
『そう。
新しい仲間になる子だよ。
リナリー、あとで見に行ってみるかい??』
「…うん。」
水琉がリナリーを見やれば、暗い顔をしていた。
自分と同じような目に合うのかと不安なのだろうか、曖昧な顔をしていた。
『リナリー、
友達になれるといいね。』
そう水琉が微笑むと
リナリーも笑い返した。
―そうだ、
どうせ仲間になるなら、笑って迎えてあげよう!
そんなリナリーの健気さが、その新しい仲間に吹き飛ばされていくのは、もうちょい後の初対面の時であった。