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夢の終に…YUME−NO−TSUI−NI…

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≪命の華と清らかな詩≫
Side⇔Kanda




『蓮の華…??
これがユウの命なんだね。

凄く強い生命力があるのに、
どこか儚げで…
優しい色をしてるね…』






水琉を
部屋に入れた時だった。


俺の命を測る華に、

あいつはそう言った。



俺は、コイツのことを最初、
バカかと思っていた。


綺麗事ばかりを語る
くだらない奴だと、思っていた。



でも、あいつは偽善なんかなく、
本音で語りかけてくる奴だと
気づいたのはかなり後だった。



“綺麗事ばっか
 言ってんじゃねえ…”と、

俺が言った時、あいつは、


“自分が汚れて堕ちているから、
 周りがあんまりにも優しく、

 綺麗に見えるんだ”と、


少し困った微笑みをして
言っていた。





俺は、今まで生きていて

精神が崩れることなどなかった。


だが、感情はある。
だから正直、辛い時もある。



そんな時に、
俺が俺でいられたのは…
あいつの言動に

癒されていたからだ。



綺麗事も気付けば、
俺の中で意味をも持つ言葉へと
変わっていった。





俺は、
綺麗な言葉も優しい言葉も
かけてはやれない。



だが、お前の言葉を…声を、

隣で耳を傾け、

聞いていたいと想うのを

許してくれないか?





水琉…

俺はお前の声を聞き逃すまいと、
お前の隣にいる。



だから、柔らかなあの声で、

俺に笑いかけてくれ…



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あきゅろす。
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