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夢の終に…YUME−NO−TSUI−NI…
Page7 水琉の秘密



神田は水琉と別れてから一人教団内を徘徊していた。


その時、ファインダーたちが話している声が聞こえてきた。



「おい…知ってるか??あの10歳くらいのエクソシストの話…」



―俺のことか??つまらん…



自分がどう言われていたとしても興味がないのか、神田が去ろうとしていた時だった。

「あぁ、知ってる。
  水琉だろ??」



――…水琉???



気が変わったのか、神田は陰から聞いてみることにした。



「そう、水琉っていう奴。
 あいつさ、自分の雇い主、
 …食らったっていう噂だぜ?」

「あぁ、聞いた聞いた。
それで、2年くらいストリートみたいにしてたんだろ?」

「そうそう、それで、みつかった時は両腕に傷があって、自分の血肉も食ってたらしいぜ…」

「らしいな…自分の主を食らって人間の味をしめたんじゃねェのか??」

「今では食えないように術式を施されているらしいぜ…」

「でもさ、あれって一種の調教だよな…禁を破ると痛みが体中を走るやつだろ?」





―――水琉が!!?
  どういうことだ……?



「ンとに。どうなってんだよ、世の中は。悪魔にみたいな奴がアクマ退治だぜ?笑っちゃうよなァ!」

――ッ!!!!


その時、かかとの音を響かせ、
神田がファインダーの前に出た。



「…おい、無駄口叩いてんじゃねェ…ぶった切るぞ!!」



「「…!!…っ!」」



舌打ちをしてファインダーたちは去って行った。

ガキのくせに。
そう声がまだ聞こえていたけれど、そんなのは痛くもなかった。


それより、神田は水琉のことを考えていた。


―…どういうことだ?
 一体、あいつは何を隠してる?


神田は、水琉に聞こうと、水琉の部屋に足を進めたが、先ほどの遠い眼をしていた水琉を思い出して、あえて聞くのを止めた。

 

―…きっと時期が来れば、あいつなら話すだろう。
俺達は待ってやるくらいしかできないはずだ…

 俺は、…あいつは信じれる奴だと思う。



そう思いながら神田はその場を後にした。



後の神田は、
ここまで自らが干渉してしまったのは水琉で最後だろう。と言っていた。

また、

−俺は探さなくてはいけない人がいる。
その事は必ず成し遂げなくてはいけない。

  だが、水琉の事も…

 俺が背負っていく。

 その為にどこまでも俺は強くなる。


とも、言っていた。



この言葉を言った神田は、
当時16才程。


それから今現在に至るまでの間、
神田やリナリー、
後に仲間になるラビやアレンは

世界の残酷さ、運命の哀しさを、その眼に焼き付けることになっていく。





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