第二の人生
6
そのまま、着替えの済んだ男とおれ、ゼノ、それに珍しくソルトさんを加えた三人と一匹で食堂で軽く飯。
つってもモグモグと咀嚼すんのはおれだけで、あとは全員、水も飲んでいない。
初めからこんな調子だったので失念していたがコイツラ一体何食ってんだろう。
ごちそーさま。
と手を合わせると、男が自ら空いた食器を片していく。
食後は、ついて来いといわれるまま離れの城を出て、城本体の東側に位置する軍部とやらに連れて行かれた。
常の居住区である離れは閑散としたものだったが、一歩外へ出れば以前と違う多数の気配が肌に刺さる。
結婚式の夜から、城の住民様方がお戻りになられているのだった。
ゲームの敵クリーチャーさながらの魔族面が記憶に新しいおれは今日まで引きこもってたんだが……うはあ、とうとう外に出ちゃったよ…。
城の東側に、裏口を通って入れば警備の兜をまぶかに被った人型の魔族が軍隊式に直立不動。
「御公務お疲れ様です!陛下!」
ビィインと竹みたく起立した兵士に、男は相槌も打たず通り過ぎた。
細い通路から広い廊下に出て、右折数回+階段二回でようやく一行の足が止まる。
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