もしもの話
序
〜高校生社長とある一学生の会話〜
「何故、経済学を勉強してる?」
「んー……本当は大学の経済学部入ってから本格的にするつもりだったんだよ?でもさ、……パパがあんな事になっちゃって、いきなり社長にされてさ。」
「……すまん。」
「ううん、その事はいいんだ。今はじいちゃんのおかげで経営はなんとかなってるけど、いつまでも頼りっぱなしってわけにはいかないじゃない?」
「まあ、な。」
「経済学部行くっていうのは決めてるんだけど、せめて基礎知識くらいは身につけておきたいなって。」
「ふうん……」
「っていっても、今は経済用語覚えるだけで精一杯なんだよね……」
「遊戯。」
「ん?」
「……貴様にやる。」
手渡されたのは『経済学の基礎知識』という、実用書に近い一冊の本。
「……いいの?」
「オレはもうその本の内容は把握してるからな。捨てるよりは貴様にやる方がマシだろう。」
「……海馬くん。」
「何だ。」
「ありがとう。」
「……フン。」
これは、“もしもの世界”の二人の話。
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