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高銀(長編)
A再会
 
今日もお疲れ様です、パー子さん。

マジ“かまっ子倶楽部”は疲れる…

禿散らかった加齢臭くせー親父にカマダンスしてさ。今すげー腰痛い…

それに酔った親父に絡まれてケツ触られたり、胸触られたり…うぇっ気持ち悪くなってきた!

そしたらバケモ…ママが「此処はお触り禁止よォォ」って暴れ出して。

止めるのにも体力使わされてさ。


…もう嫌!かまっ子倶楽部嫌い!!でも給料良い!!

だーから止められねーんだよな。




ヘロヘロで夜道を歩きながら、ふとおでん屋の屋台が目に入った。


…うん、
給料も即日払いでもらったし、一杯飲むか。
疲れたし今日くらいいいよね!パー子今日頑張ったもん。



あ、そーいや高杉はなんで今日かぶき町にいたんだろう…

脳裏に一瞬よぎった高杉。だがまぁいいや、と簡単に片付けておでん屋の屋台の暖簾をくぐった。


「おっちゃん熱燗一杯」

「はいよ銀…パー子ちゃん!今日もお疲れ様」


店主に熱燗を頼み、先客がいることに気が付いた。

「おっと、隣失礼しまっ……あ」
「ん…?あ。」



高杉さん居ましたァァァァ!!
何故ここにいらっしゃっているのですかアナタ!

しかも普通におでん食ってるゥゥゥ…いや此処おでんの屋台だしね。当然だよね。



「あー…先客いるし、おっちゃん帰る…」

「ククッ、また会ったなァお嬢さん。まぁ座れや」


座れるかァァァァ!!
気づいちゃうよ?高杉が俺が銀さんだって気づいちゃうよ!?


「いや…でもー」

「俺が奢ってやるぜ?それとも…俺ァ注いだ酒は飲めねェってか」


トクトクとお猪口に注がれる熱燗。
それにほろ酔い気味の高杉。



バレねーよな?今高杉酔ってるっぽいし。


「じゃあ…一杯だけなら」

隣に座ってお猪口を口に運ば少し飲んだ。
やっぱり疲れた体に熱燗は最高だ!!


ジーンと体に染み渡る温かい酒に感動していれば、高杉はまた俺のお猪口に酒を注いだ。



「お、お兄さんこの辺で見かけない顔だねー何しにかぶき町に来たんだ?」

さっき一瞬よぎったことを問うてみた。
沈黙が一番この状況で避けたい所だ!!

今のパー子モードならなんだって聞ける!
カマパワー舐めんなよ!?



「旧友に会いに来てみたんだがなァ…生憎留守で居なかった」

「へー」


ヅラに会いに来たのか?
アイツまた新しいバイト始めたって言ってたからな。

お猪口をぐっと飲み干しながら聞いていた。


「お嬢さんに似ていてなァ、銀髪に死に損ないの魚みてェな面したやつなんだが…」

「ぶぅぅぅっ!!!」


まさか俺じゃねーか!?いや…世界には俺に似た人があと2人いるって………………

つか今!死に損ないの魚みてェな面っつったよな!!高杉殺す!許さねーぞ!



「…大丈夫かお嬢さん?親父ィ、乾いたタオル貸せ」

「へい」

「だだだ大丈夫ですって!」


高杉はあろうことか、

おっちゃんからタオルを渡されて、俺の着物やらやら吹き零した酒を拭いてくれた。


「こここんなの拭けば大丈夫ですよー」

と言い、俺は急いで着物の裾で自分の顔を拭った。

……が、高杉は俺の腕を掴んでその仕草を止めた。

そして近づく高杉の顔…
何ですかァァァァ!!



「着物では拭くな。綺麗な着物が紅やらで汚れちまう」

「は…はい」


高杉の趣味は質の良い綺麗な着物を集めることだったっけ。


「お嬢さん名前は?」

「ななな名前!?えーと…」
「……言えないなら聞かねェさ」 
高杉はお猪口を飲みながら言った。


やっぱりなんか高杉は女には優しい。


「かぶき町の俺と会った近くに贔屓にさせてもらってる呉服店がある。そこに“高杉から”って言やァタダで着物の手入れしてくれる」

「あ、ありがとうございます…」


俯いて高杉の横顔を盗み見てしまった。


ほろ酔いで着物のはだけ具合といい、この優しさといい、

…高杉ってこんなにイイヤツだったか!?


「なんだァ?俺に惚れたか」

「な!?違いますよ!」


ニヤリと揶揄するように高杉に心を読まれて焦って声が裏換えりながら言ってしまった。
恥ずかしい!


ククッと笑われて自分でもわかるくらい顔がヤケに熱くなった。



「かか帰ります!ご馳走様でした高杉さん」


立ち上がり、高杉に会釈して店から出ようとした。その時、高杉に「待てよ」と止められた。



「もしまた会ってくれるなら…明日もこの時間ここで待ってる」

「…来なかったら?」


「そん時ァ振られちまったなァ」


またククッと喉で笑われて俺は高杉を置いて歩き出した。





明日…か。










「親父、アイツ万事屋だろ?」

「…」

「銀時なんだろ?」

「高杉さんにはわかっちゃいますよねー銀さんバレてないって思ってるから言えませでしたが」

「ククッ…見ねェ間に別嬪さんになりやがったモンだ」



高杉には全てお見通し。
明日もきっと
お嬢さんは俺の前に現れる。


きっと…。



━━━━━━

次は高パーで…うふふ(笑) 

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あきゅろす。
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