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高銀(長編)
@パー子と高杉
 
夜のネオンが輝くかぶき町の街中。
今月もやってきた、かまっ子倶楽部からの依頼。

もう毎月依頼が来てるから前よりは慣れた…いや一生慣れてはいけない道。

地毛と同じ色天パのツインテールに白地にピンク色の花柄の女物の着物。手先は器用な方だからメイクも完璧…
どーもー、かまっ子倶楽部のパー子です。

今日はヅラ子は休みらしい。
だから早めの出勤をしている。

いやもうさ、前は神楽ちゃんも化粧してる銀さんを見るとさ…虫を見るかのごとく冷たーい目だったんだよ。
でも今じゃ「行ってくるヨロシ。金稼いでくるネ」と、何故か応援してくれてるし…


なんかさ…男として涙出て来ちゃうよ。…だんだん趣味になって来ちゃったりしたらどうしよー!!新しい扉開いちゃったら主人公としてあり得ねーから。つか、オカマになる主人公って俺だけじゃね?命捨てる覚悟だし!!


ビジネスだからねビジネス!オカマなんて俺は…




モヤモヤと自分にツッコミを入れつつ、前を見ずに歩いていると誰かに思いっきりぶつかってしまった。

盛大に尻餅まで着いて恥ずかしい…。

「痛っ…」

「おっと悪ィな」


くそ!誰だぶつかったやつ!!慰謝料ふんだくってやろーか?あぁ!?


見上げればそこには…

笠を深く被り紫色の金色蝶柄模様の趣味が悪い着物を着た…

高杉晋助が居た。


ななななんでてめぇがいんだよ!


「ほら立て」


差し出された手に反射的に掴んで立ち上がった。冷や汗が止まらねー

ヅラに見られたって辰馬に見られたって毛程も気にならない。

しかし高杉には絶対に見られたくなかった。


だって絶対馬鹿にされる!

『ククッ…白夜叉ァてめぇも落ちぶれたな』


とか…うわー最悪!!

極力顔を見られないような俯きお辞儀してその場を離れようとした。
しかし…何故か腕を捕られた。

バレたか!?


「お前…銀時か?」


ピーンチ!
やべーよなんか変な汗出てきた。


「えーキモーイ、縄文式のナンパ?そんなんじゃ江戸っ子は引っかからないゾ☆」

バカ皇子戦法!!
去れ高杉!俺は銀時じゃない!パー子だ
キュルルーンという効果音が出そうな程ぶりっこでやってみた。


高杉はというと…
え、何その反応。無表情でじっと見てくるんだけど。

穴があったら入りたいんですけどォォォ!なんか反応して高杉君300円あげるから!
痛い…イタイよー



「ククッ。そいつァすまねェなお嬢さん」

みたことのない優しい笑顔で高杉は謝った。

あれ?変だな。


「ちょいと知り合いに似ていたンでな」

「は、はぁ」


脚の裾に付いていた汚れまで拭いてくれる高杉に一瞬…罪悪感が生じた。


「綺麗な着物汚しちまったなァ」

「あ、いやコレ全然気にならないし!つか安物だから気にすん…気にしないでください」


「いや、なんかあったら言え。弁償すっから」

懐から出された名刺を渡されて、つい受け取ってしまった。


そして高杉は人混みに紛れて消えて行った。





何あいつ…
昔俺にぶつかって着物汚した時なんか

『水で洗ェや』

とか言ってたくせに。



女には優しいってか?
アレか。
不良が雨に濡れてた子猫拾うというあのギャップ萌か?そうだ絶対!!

あいつ狙ってんなー
だから昔っからモテんだな高杉は。



不覚にも…

そんな高杉にドキッとしたのは

ギャップ萌だ…多分。




━━━━
続く…

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あきゅろす。
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