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高銀(長編)
D約束…終
 

太陽の光が降り注いぎ、俺は重い瞼を開けた。


「ん…あれ」


布団に寝かされ、顔をゴシゴシと擦る。化粧は落ちているみたい。

服も青い着流しを着ていて昨日着ていた着物とは違っていた。



昨日?………高杉と会って、船に乗って………えーと……!!!!!


ガバッと起き上がるが、異常なまでの腰の痛みに顔をしかめ、布団へと再び埋もれた。


昨夜のことを思い出すと恥ずかしくて死にそう…つか死にたい。
酔った勢いって本当に怖いよォォォ!!!!
もう酒止めます!



布団の中で身悶えていれば、ふと高杉の存在を忘れていることに気がついた。



…高杉?


部屋には俺だけで、気配もない。
ヨロヨロ立ち上がり、昼間でよく船の中が見渡せるようになっているが……やはり高杉はいない。


「おーい馬鹿杉くーん」


叫んでみても返事は返ってくるはずもなく。


外に出ても温かな日差しがあるだけで。

高杉はもう船から降りてどっか行ったのかな?と思い、俺も船から降りて辺りを探そうとした。



その瞬間、見計らったかのように船は大きな爆発音と風と共に空へと舞い上がった。


あれェェェ!?昨日は海上を遊泳してなかったか!!??この船空飛ぶの!?高杉の船だしな。当たり前だよな………っておいぃぃ!!



空へと舞い上がった船の縁に高杉がニヤリと笑って肘を付いて俺を上から見下していた。

「た、高杉!!お前居たのかよ」

「銀時ィ、パー子に渡しとけや」


おもむろに高杉は上から大きな風呂敷を俺目掛けて落としてきやがった。


「うわっ!!!!何すんだ危ねーな!」


風呂敷の中にはあのパー子にあげた着物であった。
綺麗に手入れまでされてあり、シワ1つない。

そして高杉はまた上から何か落としてきやがる。



「ちゃーんと受け取れ」


それは紙であり、ヒラヒラと落ちてくるから必死に目で追いながらぐしゃっと掴んだ。


「ゴミかよ?」


見れば紙には達筆な字で何かの番号が書かれている。



「いつでも電話しな。その番号なら俺に直で繋がるぜ」


煙管を吹かしながら高杉は吐き捨てるかのように言い放った。


俺は驚いて何度も番号と高杉を見比べながら、


「は!?マジで?本当に、で…電話しちまうぞ?」


「俺に会いたくてどうしようもなくなったら電話しろ。そしたらどんな手ェ使ってでも…」


そこで高杉は一旦言葉を区切り、後ろを振り向きながら…



「逢いに行く。絶対に…またな」



船はそのまま上空に飛んで、あっという間にもう手の届かない青い空へと消えてしまった。



今更かっこつけて。
本当は照れ隠しに後ろ向いたんだろ?


「ばーか。パー子に自分で渡せや」



高杉が置いて行った風呂敷を胸に抱えて俺は歩き出した。



高杉…

会いたくて会いたくてどうしようもなくなっちまったら、本当に逢いに来てくれるれるのか?



かぶき町で高杉に逢った時、お前になんて二度と会いたくねーとか思っちまったけどさ…



今はもうそんな思いなんてなくなった。



「高杉の方が逢いに来ちまうかもな」



クスッと笑って俺は空を見上げた。



会いたくて会いたくてどうしようもなくなったら…

本当に電話しちまうからな!!


「好きだよ高杉」




end


――――――

終わりましたロマンチックタイム
長かったな…始まって終わるまで長かった…


この後…1ヶ月後高杉とまたかまっ子倶楽部の帰りに逢った銀さんと高杉さん。



「た、高杉!?」

「テメェ…まだンなことやってん…」

「よう高杉!貴様江戸に来てたのか?」


ヅラ子出現で高杉は口をあんぐり。


「…流行ってんのか?ソレ」

「高杉ぃぃぃ!!勘違いしないでくれよ!!金よ金ビジネスだから!本当だよ!?ほらヅラも言え!」

「ヅラじゃない、ヅラ子だ。俺とパー子はかまっ子倶楽部でエースとして…」

「違うわボケェェェ!!死ねよヅラ子!ヅラ取ってから死ね」


「………パー子よォ、アフターはあんのか?」

「ノリノリで口説くな!!いや、嫌じゃないけどさ…」

「じゃあ今夜は俺と…」

「まぁ!うちの客にはお触り禁止よ!?ちょっとママぁー」


「逃げろ高杉!化け物が来る前に……。
会いたかったよ高杉」

「ククッ、当然だ」




騒々しくロマンチックタイム終了

ありがとうございました。

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