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高銀(長編)
C朧月
 

高杉の船は案外小さく、でもしっかりとした海に浮かぶ屋形船だった。

部屋は大きな和室が2つだけであり、その1つに連れて来られた。




「この船には今は俺と銀時しか居ねェぜ」


高杉は部屋に入るなり、俺を後ろから抱き締めながら耳元で呟いた。
その声だけで、ドキッとしてしまう。



「ふ、船は動かねーのか?」

時間稼ぎにそう問えば、高杉は「…動かして欲しいのか?」と逆に問うてきやがった。

だから俺は必死に

「うん!!超見たいなー屋形船なんて春雨以来乗ってねーし、今夜は月が綺麗だしな」


そう言って真っ正面の窓から差し込んで来る月明かりを指差した。


高杉は少し考えてから、わかった。と一言のこして部屋から出て行ってしまった。



高杉から解放され、窓辺にヘナヘナと座り込んで綺麗な朧月を眺めた。



月は昔から変わらない。

攘夷時代の頃から真っ暗な夜を明るく照らし、俺と高杉はよく月見酒をしたものだ。


「高杉…」

頬杖を付いて月を眺めていれば、ゆっくりと船が動き出した。

心地良い海の塩風の音に目を閉じていると、足音も徐々に聞こえて来る。


「どうだ?船のご様子は。お姫様」

「くるしゅうない…、ってな。あはは」


高杉は俺に近づいて、隣に座った。


「銀時ィ」

「高杉…お前さ、俺のことどう思う?」


高杉は答える前に、俺を畳に押し倒して上に跨った。


「はっ、今更聞くって野暮だぜ」

「言えよ高杉さん。なんで江戸に来たかとか…」


真上の高杉の頬に手を差し出してゆっくりと輪郭をなぞる。


すると高杉はフッと笑ってその手を慈しむように掴んだ。


「テメェに…銀時に逢いに来た。逢えなかったら諦めて帰るつもりだったしなァ」

「どうして?“銀時”に逢いに来た」


「そりゃあ…」


高杉は言葉を一旦切り、俺の唇を奪った。角度を変え何度も何度も合わせ、舌を絡みながらより深くする。

唇を離された頃には俺は力が入らずトロンとした瞳で高杉を見上げていた。

紅が移ってしまった高杉の唇が異様に紅くて益々顔が赤くなってしまった。


「忘れられなかった。ずっとテメェをな…我ながら女々しいモンだぜ」


自嘲気味に笑う高杉に、俺の心は切なくて涙が出そうになった。

逢いたかったって…
じゃあ、高杉は俺のこと好きだったってことか?


戦争の時いつも側で励ましてくれてた時も…
仲間が死んで涙が止まらなかった時ずっと胸を貸して泣かせてくれた時も…


高杉は…いつから俺に好意を持っていてくれてたのか。



胸が熱くなった俺は高杉の手を取って、長くて男らしい高杉の指を自分のと絡めさせた。




「高杉…今日の俺は“パー子”だぜ。“銀時”じゃないからな?だから…」

高杉の首に腕を回して至近距離で見つめる。


「今だけ、好きにしていい…」

「!?…銀時。ンな格好で言うなよ、我慢出来ねェだろうが」


顔中に触れるだけのキスを降らせて行く高杉の優しい温もりに自然と笑みが零れる。

好きだなぁ。なんか…


「好き、高杉」

「パー子がか?それとも銀時が言ってんのか?」


首筋を舐め、ピリッと痛く感じがしたが繰り返し跡を付けられ高杉は指でなぞりながら鼻で笑った。


「どっちも」

「なんだ俺達ァ両思いだったのか…とんだ回りくどいことしちまったぜ」


しゅる、っと手際よく帯を解かれ着物を脱がされる。やっぱり高杉は着物をよく着るだけあって脱がし上手だ。…京で遊女とヤってっからか?


つか…よ。



「高杉くーん」

「何だよ、今更止めろって言う気か?だったら…」

「違うよ。ただな…ただ」

「まさかテメェ、イン…」

「違げぇぇぇよ!!大丈夫俺の息子は元気だから。いや、そうじゃなくて…あの」


もごもごと口を閉ざしていれば、高杉が優しくキスして「どうしたんだ?」と、髪を梳いてくれた。


「こーゆうの、は、初めてだからさ……な!?わ、笑うな高杉!!」

「いや、ククッ。そうかい、経験有りの方が腹立たしいが初めてたァ…心配するな。気持ちよくしてやるから」


未だにクスクス笑う高杉に恥ずかしくなって顔を背けた。

経験豊富そうな高杉を思って言ったのにすげー恥ずかしくない?
高杉いい加減笑うの止めろぉぉ!


「善がり狂っちまいな銀時」


鎖骨を舐められ、下へ下がる舌がくすぐったくて体を捩ればそれを拒まれる。

「ん…あぁっ、ちょどこ舐めて…ぁう」


胸の尖りを舌でつつかれ食まれ、片方は指で捏ねくり回したり潰したりと指で弄くられる。

電流が流れるかのような初めての感覚が体を支配し、女のような高い声が出てしまって余計に恥ずかしい…。


「や、やだぁ…ぁっ、はぁっあ、痛い…」
「やっぱり初めての反応ってイイなァ。ほら此処見てみろ、もうおっ起ってるぜ?感度イイんじゃねェか」


高杉が指さす方を見れば俺の息子は完起して既に濡れてべちょべちょだった。
あーいたたまれない…もう恥ずかしい。


ピチャ…チュウゥ…

乳首を舐め上げられ、吸われて出そうになる声を抑える為に自分の腕を口に当てて歯を立てた。



「むぐっ…うっぁ…んっ」

「声抑えるな。聞かせてくれよパー子」


腕を捕られて歯形がついた所をペロリと舌でなぞられた。

高杉ってどんな仕草もカッコイいな、と不覚にも思ってしまった。


ガン見してしまっていたのを高杉は感じて、ニヤリと唇の端を釣り上げた。


「もっとやって欲しいか?それとも触って欲しいトコがあるのか?腰揺れてるぜ」

無意識に揺れていた腰め!!でも、もう下は張り詰めてしまっていてキツいしどうせならイきたい…。


「もう、イきたい…」

「ならちゃんと頼めや。どこをどう触って欲しいか」


わかってるくせに…高杉に「意地悪っ」と呟けば「嬉しいんだろ?」と問われちまった。

言葉に出すのは苦手だし、高杉は中心には触れず内股をただ柔やわと擦るだけ。もどかしくて、高杉の手を取って自分のそそり立つモノに導いた。


「ここ…いっぱい触って……」

「はっ、どこでそんな淫乱なこと覚えてきちまったんだ。パー子さんよォ」


嘲るように、でも欲を含んだ高杉ね瞳はまるで獣のようで……俺は囚われてしまった。


それから高杉は激しく扱き、俺は簡単にイってしまった。

くたり、と畳に体を投げ出していれば反転させられてうつ伏せにさせられた。


「今からが本番だぜ。意識ぶっ飛ばすなよ」

「もう飛びそうですけど…」


高杉はさっきイったときに濡れた指を後ろの穴にゆっくりと出し入れし出した。
異物感と初めての気持ち悪さに顰めっ面になって思わず後ろを振り返った。


「たか、ちょ…高杉気持ち悪い」

「我慢しろ。あと力抜け。痛いのがお好きなようなら構わないがな」

「十分慣らして下さい」


高杉は気を良くしたらしく、指を入れていた所にヌルリ……舌を入れ後孔の周りを舐め卑猥な水音が部屋に響く。


「あぁっ!…そんな、とこ…くっぁぁぁあ!!!汚、い…だめぇ」

ぴちゃぴちゃぬちゃ…


「だめって言うのに感じてんじゃねェのか?また起ってんぞ」

後ろを攻められ、前まで手淫されて俺はただ強すぎる快感を感じるだけ。

セッ○スってこんなに気持ち良いもんだなぁ、とぼうーとする頭で思ってしまうくらい高杉のは気持ちが良い。



「はぁぁっん!舌…だめっ…おかし、く…なるぅぅ!!」

「舌じゃ届かねェか。知ってっか?男にもどうしようもなく感じちまう性感帯があんだぜ」


舌を抜き、指を2本差し入れて何かを探るように指を動かした。
腸壁をくすぐられて喘ぎ声が止まらない中、一際ある所に指が当たった途端、ビクン!!と体がしなった。


「ひゃぁっ!!何か…変っ……あっ!だめっそこ…ぁぁぁあっ!!」

コリコリ押しつぶされて、止め処なく高杉の手にまたしても射精してしまった。


「はぁ…はぁ、ごめん。また…」

「いや、気にするな。銀…パー子のイイ所わかったしな。ほら、自分が出したモンだ。舐めて綺麗にしてくれ」


ベトベトに濡れた指を口の前に出され、素直に舐めとった。
苦いし青臭くて自分のだと思うと泣きたくなるが、高杉の手を汚したからであって………はい。


「エロい顔で舐めやがって。好きだぜ銀時」


初めて“好き”と言われて、俺はまた後ろに振り返った。


「もう1回!」

「……嫌だ」

「好きって言ったよな?今」

「言ったかもなァ。もう入れるからな」

「ちょ、高杉!!もう1回言……あぁっ!ちょ、まっ……!!!」

「待てるか馬鹿が…っキツ」


腰を掴まれ、ナカに高杉のが入ってきた。散々慣らされ、痛みはあまり無いが…ガツガツと後ろから打ち付けて来る高杉は余裕がなさそうに息が乱れている。


俺を求めてくれてるってわかって嬉しくなってしまう。


「あぁっ、高杉!!…ひゃっ、奥…当たって…あっ…あぁぁぁ!!」


「えらく別嬪さんになったよなァ…銀時」

耳を甘噛みされ、舌を耳の中に入れて直に水音が響いて力が抜けて口が閉じない。


「街で…偶然逢えたのも運命かもな…好きだ…好きだぜ銀時」



高杉は大切な言葉を言うかのように何度も何度も「好きだ」と呟いてくれて……


夜明けまで
高杉と身体を重ねあった。

今までで一番幸せな時間だった気がする…



窓から差し込む朧月だけが俺達を照らしていた。




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あきゅろす。
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