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高銀(長編)

 

♪誰もが浮かれてカーニバル〜
彼氏のハートを射止めて〜
Oh baby〜




「なー高杉、今日は何日でしょーか?」

「さぁな」


朝からテンションの高い銀時に部屋に呼ばれた俺は、かなり機嫌が悪い。

ぼっーとしながら応えれば必死にカレンダーを指差して俺の目の前に突きつけられる。



「2月14日!!バレンタインデーでしょーが!なんでテンション上がらないかなーキミは…人生半分損してるよキミは!」

「うるせェ…テメェの天パよりは人生損してねェから安心しろ」

「ちょっ!今は天パ関係ないだろうが!!あーあ銀さんブルーになっちゃった。これはチョコくんなきゃ戻んないわーさぁチョコを献上しなさい、プリーズ」




そうか目的はこれか…。

朝から起こされて部屋に呼ばれて目的はチョコか。

はァとため息を吐いて、煙管に火を付けた。



「あるわけねェだろ。バカか?」

「ふざけるな!じゃあ何しに俺の部屋に来たんだよ!帰れ帰れ!!そしてチョコを持って来い」




さっきまでのテンションが嘘のように下がって、銀時は寝転がりながらジャンプなんか読み始めやがった。


自分で呼び出しておきながらこの態度…
許せねェ…




「おい銀時ィ」

「何ーチョコくれんの?」

「テメェが俺にチョコくれよ」

「はァ!?何言っちゃってんのかなこの子は。俺が他人に甘味差し出すワケないでしょ。俺の甘味は俺のモノ。高杉の甘味も俺のモノ…わかったか!!つか、高杉甘いモノ食えないだろ」


「甘くないチョコがあんだろ?」

「ビターは俺嫌いだしぃ〜まぁ高杉がくれるなら俺あげてもいいけど…」

「気が向いたらな」


煙管を吸いながらニヤリと笑って襖を開ければ…



「金時ぃ〜チョコじゃ!いっぱい買って来たぜよ」

「ぎ、銀時!俺のももらってくれ!!」


「おー!!!辰馬、ヅラぁ!ありがとう」


ジャンプを放り投げて二人のチョコに飛びつく銀時の嬉しそうなあの顔。

チッ…。



「うわっ!めっちゃ美味そう!サンキュー2人共☆大好き」


「あはははっ、まっこと可愛ぇの〜金時は!」

「喜んでくれて俺も嬉しいぞ……おぃ高杉はないのか?」



辰馬もヅラもニヤニヤ笑ってやがる。

「アレ?ないのかしら高杉君は?やだー」

「笑うっちゃ可哀想じゃき。おんしがチョコなんぞ買うキャラに見えんだけぜよ!!のぅ高杉」

「………」



俺は何も言わずうぜえバカ3人を睨み付けてから思いっきり襖を閉めた。









「高杉チョコくれるかな〜」

ボソッと呟いた言葉にヅラも辰馬も顔を見合わせて笑った。



「高杉はシャイだからな。銀時がひとりの時に持って来るかもしれんぞ(笑)」

「あんな奴よりワシにせんか?あはははっ」


ポンポン頭を叩かれながら、俺は辰馬に


「ん〜辰馬ごめん。やっぱり高杉が好きだな。俺ちょっと町に買い物して来るよ」




2人からもらったチョコを食べながら俺も部屋から出て行った。








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あきゅろす。
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