高銀(長編)
ー1ー思い出したあの日…
ある日の万事屋。
「くせぇ!なんだよマジ押し入れの中に魔物住んでんじゃねーの!?汚ねっ」
「銀ちゃーん。何か売れる物見つかった?探せばきっとあるはずネ!!」
「ねーよ。ったく…あったら今頃売ってるって。…あ、饅頭の箱発見!!
うわっ!ダメだ発酵してやがる」
「大丈夫ネ!!色が変わってるだけで食べられないことないネ!!」
「ちょ、神楽ちゃーん。危ないって!お前の腹は鋼の腹だけど、いくらお前のじゃ……あーこら食うな!!吐け!ぺっしろ」
只今万事屋お掃除中。
神楽が『何でも鑑定さん』を見て、
「きっとウチにも何か高〜く売れる物あるはずネ!!探すアル」
…って目ぇ輝かせて言い出したからさ。
掃除と言いながら、家宅捜査中みてーになってんなこれ。
ぶっちゃけウチには何にもないよ?
あるとすれば…、
腐ったモンとか未知の生物に発酵したモンとかね。うわ、緑色のモン拾った!
あーあ。
押し入れの定番、スペアポケットとかあったりして…
なーんて思ったりしちゃったり。
この歳でこの考えは大人げないか。
ヅラ並みだなオイ。
バリバリと頭を掻きながら、奥に奥に探し始めた。
埃っぽいし、埃まみれ…
おい。埃!誰に許可取って住んでんだよ。家賃だせ!!
すると、埃まみれの押し入れの中から一枚の手紙を見つけた。
手紙ってゆーか…紙切れ?
……。
「ぎ…銀ちゃん…お腹痛いアル…私何か産まれそー」
「お前から産まれるのは汚ねーあれだ!!だーから言ったじゃねーか。銀さんの言うこと聞かねーからそーなんだよ!全く…トイレットペーパーは節約すんだぞ」
「銀ちゃんの……バカヤロー……」
腹を押さえてトイレに駆け込んで行った馬鹿神楽を確認して、見つけた紙切れを広げた。
そこには…
『8月10日。高杉の誕生日
プレゼントは…』
と書かれた紙切れだった。
懐かしいな……
つか、あれはまだ戦争時代の時だったっけ。
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