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高銀(短編)
俺の世界(高杉だけ)
 



俺の世界は酷く狭い…






〈俺の世界〉


俺の視野は
左目を閉じれば、見える世界は偽りばかりの汚ねェ世の中。


右目を閉じれば、永遠に続く暗闇の中。



俺の世界は何が正しくて何が悪いかわからない。

唯一わかることたァ…


アノ人━先生━を奪ったこの腐った世界をぶっ壊すこと。



見える世界が全てじゃねェ

俺の見えない世界も世界は広がっている。



なァ…

俺は正しいことしてんだよな?

鬼兵隊は俺が創った
俺の意志を慕え募った奴らの集まりだ。


俺は正しい
オレは正しい

オレハタダシイ!!!


だから…

だからテメェ等はなんで俺に刀を向けるんだ

俺が間違ったことしてると思ってやがるのか!?







両目を閉じれば、昔の…先生がいらしたあの楽しかった時間が脳裏に浮かんで来る。



『晋助』

『なんですか?先生』

『もし、あなたが道に迷ってしまったり…あなたが間違った道に行ってしまったら』

『行ってしまったら?』


『仲間を信じなさい。あなたを慕う“仲間”を大切にしなさい』

『なか…ま?銀時とかヅラみたいな仲間を?』

『そうです。世の中あなた1人ではないのですからね』


そう言って先生は俺の頭を撫でてくれた。

先生のあの温かい手、優しい声音が今も忘れられない。




もし今あなたが生きていたなら

今の俺をどう思いますか?


目を閉じて良く考えても…俺にはこの世界は腐ってると思う。


銀時ィ、テメェは昔に目を背けて今のこの世の中を生きやがって…

ヅラァ、テメェは穏健派なんかになっちまいやがって…





俺が間違ってんのか!?

いや…俺は正しい。




「晋助!」

「晋助様!」

「晋助殿!」


暗闇を1人歩いていれば、俺の背中を追って慕ってくれる仲間…



仲間がいりゃァ俺の世界は正しいんだ。



だろ?先生ェよ…




いつか…答えを教えて下さい。


完、

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