高銀(短編)
高杉が嫌いなモノA(拍手文)
《拍手文》
高杉の嫌いなもの
パートA
――――
高杉晋助という男は完璧な男だ…と思う。
容姿もいいし、強いし金持ち。それに頭も良い…マジ残りの人生くんねーかなー
第一回高杉の嫌いなモノ…高杉に与えてはならないモノは『チョコレート』でした。
俺はまだ諦めない!
高杉に苦手なモノはまだあるはずだ。
今日は高杉と俺で大江戸遊園地に来ている。(無理やり連れて来た)
もちろん…
高杉の嫌いなモノ探しのために♪
「高杉、何乗りたい?」
「なんでもいい」
高杉は俺の隣を歩きながらつまらなそうにそう言った。
一応指名手配されているため、今日はいつもの派手な着流しではなく、赤茶色の地味目な着流しだ。
つか、はしゃげよもっと!!ここは遊園地だぞ!?これだから高杉は…
「先ずは、ジェットコースターだろ!」
「はいはい」
遊園地一怖いとされているジェットコースター!
時速70qで走る恐ろしさ。
これなら高杉も顔真っ青になるだろう…
しかし…
「うぶぇっ!!!」
「汚ねェよテメェ」
真っ青になってんの俺じゃねーかァァァ!!やっぱり連続2回は止めれば良かったァァァ。
しっかりしろ銀さん。始まったばかりで何やってんだよ恥ずかしいぃぃ…
「なんか飲み物買って来てやるから待ってろ」
「さ…さんきゅ高杉」
あーもう帰りたい…
来てまだ20分くらいなんだけど帰りたい…
高杉は直ぐに水を買ってきてくれて、少し飲めば気が楽になった。
「高杉はジェットコースター怖い?」
「あァ?別に」
左様ですか。
俺は立ち上がり、次にコーヒーカップに乗った。
結果はまた俺が真っ青になるだけ。
「銀時ィ…何しに来たんだか」
諦めないよ!!高杉に飽きられても俺諦めない!
「ま、テメェを見ていて飽きないがな」
クスッと小さく笑われて気まずくなり俯いた。
「次は何がしたいんだ?銀時ィ」
「何がしたいってオイ!!じゃあ…」
それから色々な乗り物に乗ったが、高杉は顔色一つ変えず。
絶対何か苦手なモノがあるはずなのに……
そして、既に残っているモノは
「お化け屋敷と観覧車か…」
「銀時はお化け屋敷嫌いだよなァ。行きたくないならいいぜ?」
「はっ!何言ってんの高杉さんよぉ。行くぞオラ」
勢いよく高杉とお化け屋敷に入ったが…
中は真っ暗だしもうお化け出る気満々な雰囲気じゃん!!…あ、お化け屋敷だもんね。
「怖いのか?」
「こ、怖くないし!お前怖いの?この年にして恥ずかしい」
「…よくンな事いけしゃあしゃあと言えるなァ。じゃあこの手は何だ?テメェの汗でヌルッヌルだぜ」
「そそそれはダメぇえ!!ごめん高杉離さないでぇぇ」高杉の顔は真っ暗でわからないが、多分嬉しそうな顔してんのか…ククッと喉で笑った声がした。
「おい銀時、アレ見ろ」
「ななっ何!?」
ビクビクして高杉が言った方を見る。すると、耳元にフゥーと息を掛けられた。
「ギャァァァ!!!!」
「ククッ!面白ェなァ」
高杉め…楽しみやがって!それから高杉の腰に抱き付いて最後まで必死に歩いた。お化けが出て俺が驚いても、高杉の射殺すような視線に逆にお化けさんがビビっていたという……
最強だよ高杉晋助!!さすが鬼兵隊総督だよお前!!
そして最後の乗り物は……
「最後は観覧車だ」
イイ感じに太陽は沈み、雰囲気も悪くない。
一瞬高杉の眉が動いたが、俺はそんな変化なんか気づかず、高杉の腕を引っ張って観覧車に乗り込んだ。
「いやぁ今日は疲れたな」
「…あァ」
「うわー江戸ってこんなに広かったっけ?」
「…あァ」
「今日はありがとな。すげー楽しかったよ」
「……あァ」
さっきから高杉は「…あァ」しか言ってない。
どうしたのか、と思い向かいに座っていたが高杉の隣に移動した。
そして高杉の目の前でヒラヒラと手を振った。
「おーい高杉君どした?」
「いや……なんかな」
明らかにおかしい高杉に銀時はにやりと微笑んだ。
「まさか高杉君、観覧車怖い感じですかぁ?ププッ」
「怖くねェが、……狭いのは気に入らねェ」
「え?せま…い??」
意外な高杉の苦手なモノに呆けてしまった。
確かに…昔から高杉の部屋とか、今の船艦とか無駄にデカいわな。
だから…狭いとこが苦手なのか?
「閉所恐怖症なわけ?」
「フン…」
高杉は強がって俺とは反対側の窓の外を見ているが、コイツの手は今俺と繋がってる。
「高杉、可愛い」
「ヘェずい分と余裕なんだなァ」
へ?と聞き返す前に高杉に顎を掴まれた。
「気分紛らわせてくれよ。可愛い恋人の為にな」
「ちょ…ちょっとここ観覧……いやぁぁぁ!!」
こうして、高杉の苦手なモノは『狭い所』と知った。未だ銀時の高杉の嫌いなモノ探しは続く……
――――――――――
高杉さんの嫌いなモノが『閉所』と言うのは、高杉晋作様から頂きました!!
昔牢獄的な所に閉じ込められて以来閉所恐怖症になってしまったらしい…というのを読んで「高杉さんは確かに狭い所嫌いそう」と思い、この話は半年前に考えてました(笑)
読んで頂きありがとうございました
2011年3月16日編集。
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