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高銀(短編)
猫ネコねこ(高杉猫!)
 


朝、目を覚ませば隣に寝る銀時の顔が異常にデカかった。


〈猫ネコねこ〉



昨晩、銀時がいつものようなだらしない格好で話していた。


「俺さ、前に猫になったんだ」

「ほォ…さぞ可愛くねェ野良猫だったろうな」

「はぁ!?何言ってんの?マジ可愛い真っ白な猫だったし!!動物嫌いな高杉でももーデレデレになっちゃうくらい可愛かったなー。ヅラは真っ黒な変なキモイ猫だった」

「そうかい」


俺ァ格別よく聞いていた訳ではなく、いつもみてェに受け流していた。


「高杉が猫になったら…ドーベルマンみたいな猫になっかな」

「そりゃァ犬だろうが。しかも警察犬」

「う゛…ば、馬鹿野郎!!知ってるわンなこと!ボケただけだ」

「はっ。年は取りたくねェもんだ」

「そのボケじゃねーよ!!もういい。寝る!」


機嫌を損ねた銀時は布団に入りふて寝をかまし始めやがった。


俺は銀時が入った布団に当たり前のように下肢を潜り込ませた。

銀時も何も言わずに端にずれ、ふっと笑ってしまった。


「高杉が猫になったら…ププっ。面白いだろーな」

「手前が猫だろ?」

「そーゆー意味の猫じゃねーから!!なんで高杉が言うと厭らしく聞こえるの!?こンのエロテロリスト」



それから俺は普通に銀時を犯って(←)普通に寝た。


そして冒頭に戻る。


――
――――…


なんか銀時がデカい…
いつものように銀時の頭を梳こうとすりゃァ、自分の手が毛だらけで肉球が付いてる始末…。



ぺたぺた自分の顔を触れば、耳らしいモンがあり、これまた毛球に包まれた猫のような…猫?


……………。


「にゃー」

銀時起きろ!そう口にした筈が、猫の鳴き声だった…


「んー…高杉ぃ?」


うっすら目を開ける銀時の目の前で、何度も小さい前足を生かして叩いた。



「ねこ…?……猫じゃん!!うっわ可愛い!しかもスコティッシュ・フォールドの紫!珍しいなーお前」

ガバッと勢いよく起きた銀時に頭を撫でられ、平らな胸元に抱き締められた。


す、スコッティ…?
なんだそれァ?



「にゃー!」

「猫にしちゃぁ声低くね?そーいや高杉がいないな」

キョロキョロと辺りを見回す銀時。
それからまた俺を見やると、首を傾げ始めた。


「なんか…左の目に傷があるな。それに濃緑の目に…紫の毛並み。なんか高杉みた「にゃ」


一度猫を体験したから珍しく勘が良いじゃねェの。俺が鳴けば、銀時は何かを察したかのように俺を抱き上げて目をかち合わせる。


「にーにー」

「イヤイヤ…イヤイヤいや!!ないないない!そんな可愛い声で高杉は鳴かない!高杉ぃ高杉君どこーヘルプミー」


うるさい銀時の頬を蹴り上げ、布団の隣に置いてあった煙管の前に座った。

そしてニヤリと…笑った。



「高杉ィィィ!!猫なのになんか高杉っぽいよ君!なんで高杉は猫人気No.1のスコティッシュ・フォールドなんだァァァチクショー可愛いぞ!!耳が垂れて!髪か?天パは雑種ってことかオイこら!!」


うるせェ…俺は万事屋の玄関に行くため、リビングを出ようとすれば、銀時に首を掴まれた。



「高杉君どこ行くの」

「にゃ」

「そっか散歩かー俺も行っちゃおーかな」


銀時は服を着始め、俺はちょこんと安っぽいソファに置かれた。





俺ァなんで猫なんかなったんかねェ。


「何ぽけーっとしてるのさ?さぁ朝散歩行きましょうか」


銀時はにっこり笑って俺をコイツの懐に入れられた。


「に゛ゃ!?」

「高杉はすぐ逃げそうな猫だからな。れっつごー」







銀時の懐に入れられ、かぶき町を色々な所まで一緒に散歩させられた。

猫視点だから全てが新しく見えて新鮮だ。




「高杉腹減ったか?」

「…」

「そっかそっか腹減ったかー」


俺を無視して銀時は自分で解釈しやがった。


そして、鼻歌を歌いながらコンビニに入ろうとする銀時はある人物に気がついた。



「げっ、土方」

「よぉ万事屋じゃねーか。…お前猫飼い始めたのか?」


ちっ、真選組の狗か。
ギロリと睨みつければ、頭をわしゃわしゃ撫でやがった。


「コイツはスコティッシュ・フォールドじゃねーのか!?捨て猫か」

「違うよ、あれだよアレ…うん、あの〜神様の悪戯?的なアレよ。…まぁ本当可愛いよね」


銀時まで頭を撫できやがるから俺は懐からピョンと飛び出した。



「こーら!たかす…猫ちゃん!!逃げるな」


ガシッと腹を掴まれて、無理やり引っ張られる。


「にゃー!!(離せ馬鹿銀時ィ)」

「何やってるんでぃ糖尿病と高カロリーの生活習慣病コンビ」

「まだ糖尿病じゃないからね!予備軍だから!まだセーフなの!」

「俺だってまだ高カロリーじゃねーぞ総悟!最近カロリーハーフにしてんだろ」

「あーはいはい、お二人共片足突っ込んでんだろうが。ありぃ?旦那の猫…スコティッシュ・フォールドじゃねぇか!!買ったんですかぃ?」



さっきからこいつらなんで猫の品種名知ってんだ。
鬱陶しいなァ。


「旦那、ちょっと触らせて下せェ!」

クソガキにまで頭を撫で回され、俺は銀時の腹を思いっきり蹴った。



「ぐふっ!!い…今散歩中だからさ、邪魔しないでよ。じゃーね税金泥棒コンビ」



逃げるように2人から去り、今後は河原にたどり着いた。


「高杉と散歩なんて久しぶりだな」

「にゃ」

「猫の気持ちわかるか?俺は大変だったんだよ。だーれも俺が猫って気がつかなったからさ」


銀時は河原の芝生の上に座り、俺を膝の上に乗せた。
そして、ゆっくり背を撫でられウトウトと眠くなる時…


「ぎぎぎ銀時!!貴様…それはスコティッシュ・フォールドではないか!しかも紫色の珍しい毛並み」

どこから現れたのかわからないヅラが、いきなり俺を持ち上げて肉球をフニフニ触りやがった。


「ちょ、ちょっとヅラ!」

「肉球たまらん!!」

「にー!!!」


頬擦りまでやってくるヅラの頬を鋭い爪で引っ掻いてやった。
うぜェ…昔から変わらねェうざさ…



「元気な猫ちゃんでちゅねー」

「おい…血出てるぞお前。それに、ソイツ見てわかんないか?」


銀時がそう言えば、ヅラはじっと俺を見つめ、そして叫んだ。


「た、高杉か貴様は!なんと可愛い猫になったんだ!!羨ましい…クソ」

「怒るか褒めるかどっちかにしろよ…」


一度猫になった奴はすぐにわかるモンなのか?


「高杉腹へってないか?今ならんまい棒あるぞ。ほーらほら」


俺の前でんなパッサパサな安物の食いもんちらつかせんじゃねェ!



ヅラのんまい僕をパキッと折り、俺はその場から逃げた。


「ま、待て高杉」


それからヅラから俺を守る銀時やら、逃げ回るやらで疲れきり眠ってしまった。






「チッ…高杉よぉ、あんま探させないでよ」

俺は公園で疲れて眠る高杉猫ちゃんを抱きかかえて万事屋に連れて帰った。






――
――――…


「…んっ…」

ゆっくり目を開けるとそこには天井があり、俺は辺りを見回す。

ここは…万事屋。

銀時の布団で横になっていた。
手を挙げてみると、ちゃんとした人間の腕であり、もう一度目を閉じた。


ん?人間の腕?
ガバッと起き上がり、身体をよくみれば猫ではなく、人間に戻っていた。


襖を開け、ソファに座ってジャンプを読んでいた銀時に声をかけた。


「おい」

「あ、あれ高杉!?戻ったんだ。意外に早く戻ったなー良かったなー…チッ」

「舌打ちしてんじゃねェよ」


本を閉じて俺を呼ぶように手招きする銀時の隣に腰を下ろした。



「高杉猫は可愛かったなー猫はな」

へへっとはにかむ銀時に俺は何も言わず、腕を組んで目を閉じ銀時の膝の上に頭を乗せた。


「なーに甘えてんだ。膝枕なんて柄にもねーんだよお前は」

「ククッ、たまにはいいだろ?猫はもう懲りた」

「お前が猫を馬鹿にするから猫の神様怒っちゃったんだよ!!だから猫の気持ちを味わえってな。イイ体験したよウン」


銀時の腰に腕を回しながら俺はもう一度眠りについた。


寝る迄の間、ずっと銀時が髪を梳いていたからか…久々に安心して眠っちまった。



「高杉って元が猫っぽいよな。自由で人見知りで乱暴、慣れた相手には心を許す。挙げ句コレじゃあ…」


膝の上で安らかに眠る高杉の額に小さくキスをした。



また猫になったら俺が世話してやっか。





―――――――――
スコティッシュ・フォールド!!!!
名前がやっとわかって突発的に書いた駄文…

すみませんしたぁぁぁぁ!!
スコティッシュ・フォールドは猫の品種名でめっさ可愛いんです
垂れた耳と小さい体が高杉さんっぽい感じで…

すみませんしたぁぁぁぁ!!

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あきゅろす。
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