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タイミングより大切なもの(小金井)


小学校からの付き合いだし、お互いの家にもよく行くし、親同士も仲がいい。
ここまで揃うと気持ちを伝えるタイミングがわからない。
もしかしたらもう向こうは気づいてるかもしれない。


テレビゲームをしながら画面に向かって、うりゃ、とか、ちょ、待って待って待って、とか楽しそうにしてる男の姿を、隣でクッションを枕がわりに寝転がりながら眺めて思った。
Mr.器用貧乏こと小金井慎二。


私の密かな想い人。


タイミングなんて探してたら一生このままなのかな。
その内小金井にも彼女ができたりするのかな。
そしたら、もうこんな風にはできないのかな。

「小金井ー」
「んー?」
「小金井ー」
「どしたの、苗字ー?」
「あのさー」
「何ー?」
「好きー。」
「……へ?」

あえて目線はテレビから外さない。
視界の隅で小金井が首をこちらに向けたのが見えた。

(あ、ゲームオーバー……)

小金井が使っていたキャラが動かなくなって数秒。
敵らしいキャラが襲いかかってきて、画面には「GAME OVER」の文字。

「何、どしたの急に」
「別に。なんとなく。たまには素直になってみようと思って。」
「……」
「で、返事は?」

ようやく小金井の顔を見る。

つりあがった目。
猫みたいな口。
特別イケメンでも不細工でもない、普通の顔。

小金井は、目を瞑って大きく息を吐いてからまっすぐこちらを向く。

「俺も、苗字が好きだよ。」

期待してなかったわけじゃないけど、予想してなかった返事に、思わずクッションに顔を埋めた。

「なんだよ、そっちから聞いてきたくせに」

笑いながらそう言う声と同時に手を伸ばされ、髪をくしゃくしゃっとされる。
どんな顔していいのかわからなくて、しばらくクッションから頭をあげられなかった。


::タイミングより大切なもの::


(明日みんなに自慢しよーっと。)
(バカ……)



--End




誰これ/(^O^)\
小学校の友達って苗字で呼ぶのかわからん…←男女みんな名前呼びだった
6年生とかからだったら苗字だよね!みたいな。
予定だともう付き合ってる設定で超ほのぼのでめちゃめちゃ甘いもののはずだったんだが……。
小金井難しすぎる!

夢にありがちな長いタイトルにしようと思って失敗したorz




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あきゅろす。
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