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もしもの話(栄口)



もしも、あくまでもしもの話。




「栄口ー。教科書見してー。」
「いいよー。」

そう言いながら自分の机を俺のにくっつけてる苗字に気づかれないよう、俺は内心で小さくガッツポーズ。

「苗字、いつも古典の教科書忘れてない?」
寝ないように一生懸命な彼女に、小声で話しかける。
「うっ…何故それを…。」

古典の前後の休み時間のとき、必ず教室を出ていくから。

なんて、言えるはずもなく。
冗談でちょっと意地悪を言ってみる。

「いつも他の科目とは比べ物にならないぐらい教科書に書き込んであるから。」
「なんかそれ酷くない…?」

別段答えを求めていたわけではなかったようで、あはは、なんて水谷みたいにへらっと笑いながら、でもばつが悪そうに言った。

「いやー、教科書なくしちゃってさー。」
「そんなんで試験どうすんの?」

苗字は、んー、とちょっと考える風にしてから、笑顔で答える。

「栄口に教えてもらう」
「え?」

全然予想してなかった返事に、一瞬反応できず聞き返してしまった。

「え、あ、冗談だよ?栄口、部活も大変だろうし」

慌てて弁解する苗字がなんとなくおかしくって、つい吹き出したら怒られた。

「平気だよ。部活にも危険なやつがちらほらいるから。そのときでよければ。」
「ホント?!」

じゃあ約束ね、って言ってニコッと笑った顔が、いつもと同じはずなのに、鼓動が速まる。
苗字は先生に注意されて、渋々前を向いた。


そんな姿を見て、ああ、可愛いななんて思って。





もしも苗字に彼氏がいなくて、

もしも苗字が片想いをしてて、

もしも苗字の想い人が俺だったら、いいな。



そんなことを思いながら俺も黒板に向かった。



::もしもの話::




話がつながってません助けてください。
最後が書きたかっただけなんだ。最初はキャラ探しから始まった…。←いつもそんな感じ
まぁ、なんだ、恋に落ちる瞬間?的な?
いやもう片想いらしい。(Sor談)
栄口って片想い似合うよね!ってお話でした。

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あきゅろす。
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