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天の邪鬼との甘い約束(泉)


「はい、じゃあ今日はここまで。」
「起立、礼」

午前最後の授業が終わると、途端に教室ががやがやと賑やかになる。
各々机をくっつけたり食堂へでかけたり。

(今日のお弁当なにかなー。)

「名前、お昼食べよー」

教科書とノートを鞄の中に仕舞って代わりにお弁当を用意してると、友達数人がそれぞれ自分のご飯を持ってきて近くの机をくっつけた。

「そうそう、来週の日曜日に結構大きなお祭りがあるんだけど行かない?このメンバーで。」
「来週の日曜?」
「あ、名前、なんか用事あった?」

用事って言うか……。

「孝介がそのへんに休み入るって言ってた気がするんだよね。」
「あー、例の年下彼氏か。」
「野球部なんだっけ?」
「うん。ちょっとメールして聞いてみる!」

そう言って携帯を取り出したとき、ドアの方からクラスの男子に「苗字」って呼ばれて振り返ると――

「孝介!」
「お、噂をすればじゃん。」
「ちょっと行ってくる!」
「はいはい。行ってらっしゃい」

慌てて席を立って孝介のところまで行く。
あ、お箸持ったままだった……。

「どしたの?珍しいじゃん。孝介から来てくれるの。」

上級生のフロアってやっぱりあんまり来たくないんだろうなー。
本人は絶対言わないけど。

「別に。自販機行くついで。」

そう言って手に持ってる紙パックの牛乳を軽く持ち上げる。

「1年のフロアにもあるのに?」
「……。」

孝介はばつ悪そうに紙パックのストローに口をつけた。

(可愛いなー、孝介。)

「何にやけてんだよ。キモい。」
「ひどっ!仮にも先輩、しかも彼女に向かって!」
「来週の日曜、空いてたりする?」

スルー?!
……ん?来週の日曜?

「祭行かね?」
「それ今私も聞こうと思ってたんだー!へへ、運命だね!」
「あっそ。んじゃ詳しいことはまたメールで。」
「それだけっ?!私も同じこと思ってたんだよ?!運命じゃん!」
「弁当食う時間なくなっても知らねーかんな、苗字先輩?」

孝介は意地の悪い顔でそう言うと、じゃ、って軽く手を上げてすたすたと自分のクラスへと戻ってしまった。

(孝介ってば相変わらずクールなんだから。ま、そんなとこも好きなんだけど!)

「おかえりー。彼氏、なんだって?」
「デートのお誘いでした!」
「へぇ。いつ?」
「来週の日曜日!だからお祭りは私抜きで楽しんで!」


::天の邪鬼との甘い約束::


(何着て行こっかなー。)
(ったく。これだから彼氏持ちは……)
(あ、ちょっとそれ私の卵焼き!)



--End


泉難し/(^O^)\
ツンデレ加減がわからん(´・ω・`)
友達が泉より年上になったので記念に←



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