short
桜の下で(骸/甘/名前変換なし)
黒曜中に通い初めて三年が経ち、今日私たちは卒業する。
私は裏庭にある桜の木の下でこの三年間のことを思い出していた。
「この桜とも今年でお別れかぁ」
卒業式が始まるまで此処に居ようか悩んでいると後ろから声をかけられた
「おや、こんなところで何をしているんですか?」
「…!六道くん」
声の持ち主は黒曜中の生徒会長の六道骸くんだった
「ここの…ううん、この桜が好きだから卒業式が始まるまでここに居ようか悩んでたの」
「そうですか。そう言えばこの桜の木の下で貴女と出会ったんでしたね」
「…!覚えてたの?」
まさか六道くんがたった数分のしかも三年前のことを覚えていたとは思いもよらなかった
「えぇ、まぁ」
ちょっと途切れの悪い返事をした六道くんは桜から私の方に視線を向けた
これが最後だと思うしこの際だから言おう…
「…六道くん、聞かなくてもいいんだけど聞いてくれるかな?矛盾してるけど(苦笑)
独り言として流してくれてもいいから」
六道くんはちょっと不思議そうな顔をしながらも頷いてくれた
「三年前、この桜の木の下で出会ったこと覚えていてくれてとても嬉しかった。六道くんにとっては記憶に残らない出来事だと思ってたから…
でも私にとっては大切な思い出だから」
「可笑しな話だけどね(苦笑)
私、一目見た時に思ったんだ、あぁこの人の事好きになりそうって。何でかわかんないけど…
それからの毎日はとても楽しかった、だけど同じくらいに辛かったんだ」
私は六道くんの方に顔を向けた
「ごめんね、なんかうまく言えなくって」
苦笑いしながら六道くんに謝った。六道くんは口に手を当てながらちょっとふきぎみだった顔を上げた
「…こんなことを聞くのは少し意地が悪いですが、どうゆうことですか?」
そんなことを言われてちょっと戸惑ったけど、六道くんから顔を反らして答えた
「えっとなんていうか今のままさよならしたくないの…
この三年間言おうと思ってたんだ…」
一回深呼吸をして、覚悟を決めて反らした顔を戻し前をしっかり見た
「私、六道くんのことずっと…ずっと前から好きでした」
六道くんは返事を言う前に私のことを抱き締めた
「僕も貴女のことが好きです。
あの三年前のこの場所で出会った時に一目惚れしました
なんてベタですかね」
六道くんの答えに泣きそうになった私の目に彼はキスを落として、私たちは出会った桜の木の下でキスをした
あぁやっと言えた
※さよならメモリーズという曲をイメージとして書かせていただきました♪
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