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背景(獄寺/?)




骸との戦いが終わった今、俺は十代目のお役に立てたのか考えてみた。


フウ太の並盛ケンカランキング3位だった俺は柿本千種に勝てはしたが、十代目にご迷惑と心配をかけてしまった。

その時の戦いで怪我を負い黒曜にいった時は十代目をお守りするどころか、足手まといしかならなかった。


俺は今回の戦いで右腕としての役目を果たせなかった。


「…っクソ!」


柿本の毒と怪我で思うように動かない身体にイラつきが溜まる一方だ…!


「…右腕失格だな」


「なにが失格なんだ?」


個室の病室に俺以外の声がし、ドアの方を見るとそこには俺と差ほど変わらないか、少し上の女がいた。


「…テメェには関係ねぇ」


「…なにが失格なのか私にはわからないが、それが失格か失格じゃないかを決めるのはお前じゃない。

それを決めるのはお前の周りの人達だ。」


「…」


「もしお前が自分自身が失格だと言うのならもう一度チャレンジすればいい。それで自分が納得できる結果を出せばいい。その時に前と同じことを繰り返さなければいい、それだけだ。」


そいつの言葉は俺の中にすんなりと入ってきた。


「…ケッ、お前ここの患者か?」


「…あぁ」


「そうか。俺は獄寺隼人だ。」


「…私は上條。あまり自分を追い込むなよ獄寺少年」


そいつ上條はそれだけ言うと病室から出ていった。なんだったのかわからないが、上條のおかげで気が晴れたのは事実だ。明日、礼をしに行くか…


「俺らしくねぇな」





―…





次の日、俺は上條のところへ向かった。


「あいつの病室って何処だ…」


考えながら廊下を歩いていると頭の中で何かが無くなった気がした。


「…あいつって誰だ?つかなんでこんなところに俺はいるんだ?」


昨日大切なことを教えられたことは覚えているのに、そのことを言った奴のことが綺麗に無くなっていた。

その時、前から女が歩いてきて俺の側を通っていった。最近あった気がしたが気にも止めず、俺はそのまま十代目の病室に向かった。その頃には考えていたことなど頭の中にはなかった。


そんな背中を女が見ていたとは知らずに…












獄寺少年の背を見送って誰もいない廊下で空気に溶けていくような小さな声で言った。


「大丈夫、君が私のことを忘れてもこの物語に支障はないから。君達はレギュラー、私は【脇役】なんだから」




私は君達の背景




(名字しかこの世界から与えられていない)(だだの背景)



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あきゅろす。
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