[携帯モード] [URL送信]

王子とカエルと時々私






…心配だ。家にいろって何度も言ったけど、そもそもやつらは私の言うことなんか聞くのか?

パンやらお菓子やらをとりあえず置いてきたけど…
頼むから大人しくしてて。


「葉月ー?」


「あ、う?何?」


「なんかぼおっとしてるよ!どうかした?」


「いや大丈夫…」


「そう?ねぇ、今日の放課後新しくできたカフェ行かない?」


「んー…ごめん、今日は早く家帰らなきゃなんだ」


あいつらが心配だし。
そっか、と残念そうな顔をする友達にもう一度謝った。ああ、正直言っちゃいたい。ベルとフランが家に…って。
信じてくれないだろうけど。でも実物見せれば…見せてどうなるって感じか。

しっかし大の男(フランは中…?)二人をただの高校生である私が支えていかないといけないのは苦しい。お小遣五千円でどうやりくりしろっていうんだ。


「あーベルに会いたい」


「ぶっっ」


突然の友達の言葉に思わず飲んでいたいちごミルクを戻しそうになった。今なんていいました?


「ベルとかフランとか…本当にいてくれたら絶対楽しいよね!会いたいなー」


「た、楽しい…かな…」

「楽しいよ絶対!!逆トリップしたい!つか私が行く!」


友達の言葉に私は苦笑まじり。楽しいか?ベルなんかナイフ投げてくるし変態だしフランは我が儘だし毒舌だし…

会えて嬉しくはあったけど(最初だけ)今は正直さっさと帰ってほしいよ。


どうせなら山本や雲雀さんが来てくれれば…雲雀さんは危なそうだ。
黙っている私を不思議そうに友達は見つめた。


「どうしたの?いつもなら一緒に“トリップいいよね!”って言うのに」


「トリップは恐ろしいことに気づいたからね…」


「はぁ?」



思えば友達と話すたびにトリップはいいねだのリボーンのキャラクターに会いたいだの言っていたのがたたったのか。


神様、ひどいじゃありませんか!なんでもっと安全な人を連れて来てくれなかったんだ!





[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!