王子とカエルと時々私
2
「どうした姉ちゃん!?」
「あ…あは、ごめん、ゴキブリが出たかと思って…勘違いでした」
「なんだよ、びっくりした」
ごめんと謝り私は隣に立つやつらを見た。そうだ、昨日の夜ベルとフランが来たんだ。今だに信じられないんですが。でも二人を目の前にしてそんなこと言ってられない。…ていうか弟には二人が見えてないの?
「じゃあ姉ちゃん、遅れないようにしろよ。俺朝練あるから先行くな」
「いってらっしゃい」
弟が部屋を出てくとベルはししっと笑った。
「なんで二人が見えてな「ミーの幻覚ですー」…なるほど」
「つーか葉月どっかでかけんの?」
「ああうん学校…ああ!時間やばい!用意しなきゃ…っ」
「学生ですかー?見えないですねー」
「それは老けてるって言いたいのかなフランくん」
「王子達どーすればいいわけ」
「部屋でじっとしてて」
文句をぶーたれる二人をよそに私はかばんに教科書を詰め込んだ。制服を手にとりパジャマを…
「…」
「どうかしたんですかー?」
「私着替えたいんだけど」
「ししっ着替えれば?」
「いやあのさ…じゃああっち向いて」
「大丈夫ですよ葉月サンー葉月サンの体見てもなんとも思わ…ぶっ」
カエルの人形投げておきました。
「さあ二人ともあっちむいて!早く早く!」
二人で背をむけて立たせた。私は部屋の隅でせっせと着替える。
「見てないよね?」
「見てない見てない。…花柄かよ」
「ベルーーーー!!!!」
遅刻確定。
もう嫌だ!
(変態王子!)
(しし、胸もぺったんこ)
(うわぁぁぁ!!ばか!!)
(うるさいですー)
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