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王子とカエルと時々私






「…つまりここはミー達の世界とは違う世界で、ミー達の世界は漫画になってるんですかー」


「そういうわけです」


「しし、まじかよ。じゃあここにいるやつらは王子達のこと知ってるわけ?」


「そういうわけです」



この図おかしいよね。
ベッドサイドに座るベル、くるくる回る椅子に座るフラン、床に正座する私。
肩身せまいな私!


「どうやって帰るわけ?」


「いや知るわけない…ってナイフ出すのやめてー!!」


「ベル先輩ーそいつ殺しても無駄ですよー。むしろミー達はこの世界のことなにも知らないんでーそいつがいなきゃ困りますー」


くるくる周りながら話をするフラン。ナイフを私の首すじにむけているベルは、ふむ、と考え出した。
そしてベルの口が笑う。


「ししっ確かに。じゃあお前王子達が帰れるまで世話しろよ。はいけってー」


「ちょ、待ってよ!この家には私の親だっているし二人も男の人を置くなんて…!しかも漫画のキャラ!無理だから!!」


「「そんなの王子しらない(そんなのミーしりませーん)」」



わぉ!なに二人で声あわせてるのかな!人の迷惑とか考えないのかな君達?ああ考えないねあの暗殺部隊、ヴァリアーの幹部だもんね!


…ん?暗殺…


「そ…そそそそういえばベル達ってああああ暗殺を…」


「ししっ噛みすぎ。今更じゃね?」


「こわっ!!」


「ていうことでーミー達の言うこと聞かないとこの家どころかこの世界スプラッタですよー」

……。


「…お世話致しましょう」


「ありがとうございますー」


全然感謝の気持ちこもってないね!


「なあお前名前何?下撲2号?1号はそこのカエルな」


君に限ってはお礼すら言ってないね!


「桐谷葉月…」


「葉月ね」


「ていうかベル先輩ーいつからミーは先輩の下撲になったんですかー」


「あ?最初からに決まってんだ、ろっ」


言葉の最後にベルはナイフをフランに投げた。フランの被っているカエルにナイフが突き刺さる。…あの王子、ナイフが私の横スレスレを通ったんですが。


「やめろよ堕王子ー」


ごごご…と部屋が…というか次元が揺れる。
ひぃぃぃ!!


「葉月ー?なにやってるの早く寝なさいー」


「やばいお母さんだっ」







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