C プロポーズ大作戦4(泉/甘) 「よっちゃんが結婚したんだって」 「誰よっちゃんって」 「言わなかったっけ?中学の時の親友」 あっそ、と孝介は適当に話を投げ出した。孝介のアパートに夕ご飯を作りに来て、食べ終わり私は洗い片付け中。孝介はソファに座ってテレビのチャンネルをカチカチ変えていた。 今の話聞いても何も思わないのかな? 結婚かぁ、みたいな。 そりゃ孝介が急に “じゃあ俺達も結婚しよう!”って目をきらきらさせて言い出しても正直びっくりするけど。だけど無反応は淋しすぎる。 もう私達何年付き合ってる? そろそろ、結婚とか…考えないか。今晩婚化してるもんね。 別にね、今すぐしたいってわけじゃないんだよ?ただ孝介が私のことどんなふうに考えてるのか、それが知りたいんだ。 「終わったー」 「おう、お疲れ」 「じゃ手伝いなさい」 「無理ー名前がやったほうが早いし」 「あのねえ、やってって慣れてくの!だいたい孝介私が来ない時ちゃんと家事やってるじゃない」 「そりゃ毎週鬼がやってきますから」 「へえ〜誰のことかな〜?」 昔と変わらない生意気言う口。ほっぺをぎゅむーっと引っ張ってやると頭にチョップされた。 「孝介痛い」 「手加減してるって」 「もう」 悪戯っぽく笑う孝介の顔でなんだか孝介を許してしまう。それはとても幸せな時なんだけどね。 「名前」 ぼおっと考え事していると孝介がにんまりしている。…これは気持ち悪い。 頬をひきつらせている私に差し出したのは、拳をつくった両手。選べよ、と一言。 いきなりなに?と言う私の言葉を遮り私を急かした。 「じゃあ…こっち」 「いいのかよ?」 「いいよ」 「ん」 開かれた孝介の手には、 …光る指輪。 え?今日誕生日でも記念日でもなんでもないよ?じゃあ、 「結婚、しようぜ」 ぶっきらぼうに言ってるけど、孝介のほっぺが少し赤みを帯びていた。きっと私も。 「仕方ないなあ。一生孝介の面倒見てあげるか」 結婚しましょ! (可愛くない女。孝介はそう言って)(私の目に浮かぶ涙を拭ってくれた) [*前へ][次へ#] |