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プロポーズ大作戦3(三橋/甘)
※社会人設定





「あ、あ、あのね」



「うん」



「あ、俺、…うぅ」



可愛いなあ、とか思ってる場合じゃないかもしれない。何か廉が大切なことを伝えようとしている。が、わからない。


いつもなら話の流れと空気を読んで廉が話したいことを私が汲み取るのだけど、今日はいきなり廉が「あのねっ」と言い出したものだから。

いや、長年の付き合いをなめちゃいけない。

私、考えろ。

今日はお互い仕事が早めに切り上げられたから、私の家でご馳走ってことになって…。そういえば珍しく廉からのお誘いだったな。
で、一緒に野球見ながらご飯食べて…さあ片付けようかなって時に廉が話始めたんだ。
うーん…野球のこと、かな?



「今日の試合面白かったね」



「う、うん…ってそうじゃ、ない!」



「じゃあサラダ?それともカレー?おいしくなかった?」



「そ、そんなことないっすごくおいしかった!」



「よかったあ」



じゃあなんだろ?
はてなマークを頭に浮かべている私に廉は口をぱくぱくさせている。



「あの、ね…名前ちゃ、んは」



「うん」



「自分の苗字、す、すき?」



「名字?うーん、好きでも嫌いでもないって感じ?あんまり考えたことないなあ。でもずっとこの苗字だから、愛着はある、かな?」



「あぅ…そ、そっか…」



なぜかしゅんとする廉。わ、私なんか悪いこと言ったか!?
おどおどと廉の様子をうかがっていると突然廉が復活した。



「べ、べつに苗字はかわらなくても、いい、んだ!」



「へ?えーと、よくわからないけど…私“三橋”って苗字好きだよ。というか三橋廉が」



プチ告白です。なんて冗談まじりに笑った。じゃないと恥ずかしくて顔が火をふきそうなんです。本心だけどね。

すると目の前の廉が目をきらきらさせている。そして私の両手をぎゅっと握った。



「れ、廉…?」



「じゃ、じゃあ、三橋名前…になってくれる?名前ちゃん…」



「それって、」



「お、俺と結婚…ぐへっ」



「嬉しいっ」




ありがとう、よろしくね


(最後まで言わせてあげられなくてごめん)(う、ううん…名前ちゃん、俺、と結婚、してくれませんか)(はい!幸せにしてね?)(うひっう、うん!)







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