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プロポーズ予備戦(準太/ほぼ慎吾さん←)
※社会人設定
準太との絡みなし←




「ふぐっ…慎吾…すわぁん」


「………うわ来たよ」


「ひどいです…!と、とにかく聞いてくださ…っ」


「準太だろ」


嗚咽まじりに頷いた高校の時の後輩。いや、正確には職場の後輩。
仕方ないのでいつもの店に行く。


「今日は奢んないからな」


「えぇっ」


「あ・た・り・ま・え・だろ!何回この俺がお前の相談を聞いてやってると思ってる!そのたび先輩として奢っている俺!」


「慎吾さんありがとう」


えへ、と笑う名字。はぁ…俺ってお人よしとしか思えない。ちくしょう、和己のほうがお人よしっぽいのに。


「和己に相談しねえのか」


「和さん忙しそうですし…」


「ほう?俺は暇そうだと?」


「ちちち違います!慎吾さん相談しやすいですし、アドバイスが的確ですから!そ、それからそれから…」


「もういいから。で、今回は何なんだ?」


「………実は、準太最近変なんです」


「あいつは変なやつだぞ」


「そんなことないですっ準太はかっこよくて優しくてそれから笑顔が可愛くて」


「…帰っていいか?」


待ってええ!!と立ち上がって真剣に俺をとめる名字を見て内心笑っている俺。
つい最近準太が言っていた、「見ていて飽きない」というのを思い出した。


で、本題はというと。
準太のマンション(一人暮らし)に先日行った時掃除をしようと準太の部屋に入ったらしい。すると机の引き出しから赤の切れ端が出ていたので失礼ながら開けてみた。すると引き出しの中には小さな箱、それをラッピングした赤いリボン。


なんだろこれ?と手にとって見ていると準太登場。ひどく焦った様子で箱を奪ったらしい。


「……で?」


「その時明らかにおかしかったんです!あの焦り方は尋常じゃなかった…つ、つまり私が言いたいのはですね!あの箱はもしや、誰かへのプレゼントなのではと…」


「なるほど」


「……っく…ふぇ…じ、準太が…浮気なんて…」


「いや冷静に考えろよどう考えても」


「そういえば最近ぼうっとしてるし」


「…」


「あ、あんまりキスしてこないし」


「…」


「それから、それからっ」


「夜の方もご無沙汰?」


「し…慎吾さん変態!!」


顔を真っ赤にして叫んだ名字。そのあと眉を下げてがくっとうなだれた。…ったく。


「そんなの放っておけよ」


「無理です…」


「仕方ないな…。最近のことだが、ある男が俺に相談してきた」


「…?」


「そいつには好きな女がいて、今付き合ってる」


「慎吾さん、何の話を…」


「そいつはあるものを買って女にプロポーズしようとしてるんだ。けどヘタレだからな、伝える決心がつかない」


「…」


「だから本人にそれが見つかった時めちゃくちゃ焦るわけだ」



名字の目が大きく開いて俺を見た。俺が一度頷くと名字はぽろっと涙をこぼして微笑んだ。


準太の時も同じくらい喜んでやれよ?本当は言わない約束なんだから。

そう言うと彼女は笑顔ではい、と言った。



2人のキューピッドは

(この俺、慎吾さんさ)





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