騎士と姫の物語
幸せと覚悟
どうして何で此処に泉がいるの…
その時頬に涙が一粒流れた。
ハッ
「どっどうして此処がわかったの?学校には転校って言ったのに…」
「…井上が教えてくれた」
「そっ…か…言っちゃったんだ…瑠威(ごめんね瑠威)」
「わりぃ…嘘ついた」
「えっ…?」
「ほんとは秦と井上が話してるのを盗み聞きしてた…」
「…!じゃ全部聞いてたの…?」
「最後の言葉以外は聞いてた…
けど井上が最後の言葉も教えてくれた」
「…クッ…ヒック…」
「秦の幸せは…
[俺(泉)が誰よりも幸せになり秦(私)は独りで誰にも見られることなく死んでいきたい]
…だろ」
泉…アンタだけには知られたくなかった。
アンタの側だと甘えてしまって現実に戻れなくなってしまうから…
私の覚悟が揺らいでしまうから
だから突き放したのに…
「…ヒック
帰って…帰ってよ!私の幸せ知ってるんなら叶えさせてよ!泉には私のこと忘れてほしいの!私の幸せ聞いてよ!
お願いだから…」
もう涙がとまらない
お願いだから…静かに死なせてよ。
泉がいると
「俺がいるから死ぬ覚悟が出来ないのか?」
ビクッ
「…コク」
私が頷いた瞬間急に目の前が真っ暗になった。
数秒たって私が泉に抱きしめられていると理解した。
「俺はもうお前と出会って付き合ってたそんな時間が幸せだった。
俺は秦と一緒にいるだけで幸せだったから1つ目の秦の幸せは叶ってる」
「なら!…」
「けど!2つ目の幸せは叶えさせてやれない…」
「(なんでよ…)」
「秦を独りで誰にも見られることなく死なせたくない
秦…
俺の幸せ聞いてくれ」
秦の幸せ叶えたんだから俺の幸せも叶えさせてくれ
お姫様は一人で泣き続けそれを見た騎士はある決意をした
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