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騎士と姫の物語
涙と再会




私は今個室のベッドの上にいる。
これは私の希望だ。
どうせ治らないとわかっているなら個室で端っこの部屋がいいと担当医に頼んだ。


頼みはあっさりと通った。


入院をしてからこの部屋に来るのは食事を持ってくる看護師さんと両親だけだった。
けどそれだけじゃ何かが足りなくて寂しくて
そんな心の闇に押し潰される感じがした。



「あーあ覚悟は出来てると思ったのに…
泉のことまだ引きずってる自分が未練がましいよ…」



学校を行かなくなってからどれくらい経ったんだろう?
泉と別れてどれくらいたったんだろう?
泉と付き合ってからどれくらいの歳月が過ぎた?
泉と出会ってどれくらいの年月がたった?


私の頭の中では泉とのことが
走馬灯のように駆け巡った。




「…っフッ…うぅ…ヒック」


まだ

此処にいたかった


「…ック…ヒック…うぅ…」


まだ…

泉の側に隣に居たかった…




泉のこと、今までのことを思うと涙が自然といっぱい出てきた。
私は後どれくらい泣けば寂しく悲しくなくなるの…





その時




ガラ!
バン!



「…!!え…」


「はぁ…はぁ…秦!」



何で
何で此処に泉がいるの…











やっと見つけたお姫様は一人泣いていた




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