騎士と姫の物語
言葉と約束
side.IZUMI
次の日から秦は学校に来なくなった。
先生曰く家の用事で引っ越したってことになってるらしい。
「(最後ぐらいちゃんと秦と話したかった…)」
そんなことを考えていた俺の所に井上がやってきた。
「何だよ井上?」
「泉…俺、この前永良と話したんだ」
その時俺は自分がびっくりするほど肩が震えた。
「永良には誰にも言うなって言われてっけど俺言わなきゃいけない気がするから言うわ」
井上はこの前あった会話を全部教えてくれた。
そう俺が聞かなかった秦の最後の言葉も…
ガタッ!!
「…!!それほんとか!?」
「あぁ」
「井上!田島と三橋に部活休むって言っといてくれ!
あと先生に早退って言っといてくれ!言い訳は任した!」
「おぅ!此方は任せて行ってこい!」
…頑張れよ泉
あとごめんな永良…約束破った(苦笑)
でもやっぱ辛いな…好きな奴がまた取られるのを見ているのは…
永良、俺はいい奴なんかじゃないよ…
お前を泉から奪おうとした…けど無理だった。
永良、泉幸せになれよ
待ってろよ秦!
たった一人の大切なお姫様がやっと目の前のドアの先にいる
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