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騎士と姫の物語
別れと後悔


side.Izume




秦の病室から出ていった泉はまだ病院内にいた。


「明日井上に礼言わなきゃな…」


そんなことを考えながら窓の外を見たらちょうど夕日が見えた。


「もう夕方か…
明日モモカンに怒られるなι」


苦笑いしながら外を見ていた。



その瞬間



い、ず…み



「…!!秦?」


(気のせい、か)


そう思い病院を出ようとした。


「…!!くっ…な、んだ…」


急に頭が痛くなり変な音が頭の中に響いた。

まるで
俺を引き止めるように


ハッ
「秦!」


俺は何を思ったのか秦の病室に向かった。

秦に何かあったのだという確信に従って。



ガラッ
「秦!」


秦はさっきとは違ってベットの上で寝ていた。


「…秦?」


寝ているだけなのに俺の不安はつのるばかりだった。


「おい、秦?寝てんのか?」


体を揺すっても秦は起きなかった。


「おい秦!目開けろよ!頼むからっ…」


揺すっても揺すっても秦が目を覚ますことはなかった。


俺は頭の中でわかっていた秦が目を覚まさないことを

信じたくなかった

理解したくなかった

俺はわかっていた




秦が死んだこと











秦…!

騎士が気がついた時にはもうお姫様はイナクなり後悔と想いだけが残った





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