短編A
チケット(榛名/誕生日)
「おはよう〜」
「あっ永良さんおはよう」
「おはよう秋丸くん」
いつもより早い時間、学校までの道を歩いてると野球部のランニングに鉢合わせた
「今日早いね?どうしたの?」
「そう!聞いてよ!なんか母さんが今日早く出るからって私のこと道連れにしたんだよ!」
本当だったらHRの10分前に教室に行ってたのに…!
「寝る時間を削られた!」
「俺らなんかお前よりもっと睡眠時間削ってるぞ!」
「げっ!榛名くん!」
げっ!ってなんだ!
そう反論してきて私と秋丸くんの会話を遮ったのは野球部の投手・榛名くんだった
「急に出てきたからびっくりしただけ!」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない!ねぇ秋丸くん」
「そうだぞ榛名」
「ケッ」
文句を言いながらもランニングはもういいのか榛名くんと秋丸くんは私のペースに合わせるように歩いてくれた
そっから3人でくだらない話をした
「そう言えば永良さんは今日なんの日か知ってる?」
「?知らない」
首を横に振るとやっぱり…と笑ながら答えてくれた
「今日はる「俺の誕生日」(苦笑)」
「は?」
「だぁかぁらぁ!今日俺の誕生日なんだよ!だからなんか寄越せ!」
「えぇ!!そんな急に暴露されてもプレゼントなんて持ってないよ!」
もっと早く言ってくれれば…
そんなことを呟きながらバック漁った
その姿をまだかまだかと見る榛名くんを呆れながらも笑って見ている秋丸くん
焦りながら探し続けたら
「あっ!」
「「何?」」
「プロ野球の観戦チケット♪」
「「チケット?」」
バックの奥底にあった観戦チケットは昨日弟が見に行けないからと言って私に譲ってきたものだった
そのことを2人に説明をした
「と、言うわけ」
「へぇ〜しかもこれ結構良い席だね。それにこれ今日の夜のだね」
「いいのか?」
「いいよ。今日誰か誘うつもりだったけど榛名くんにあげる♪2人で行ってくれば?」
ちょうど2枚あるし!
2人は目を配らせた
「俺はいいよ!榛名と永良さんで行ってきなよ」
「これは元々永良のだろ」
「えっでも…」
「だぁ!いいから!今日部活ミーティングだけだからそのあと行くぞ!」
「う、うん!」
そのあと2人は学校の方へ走って行った
「あっおめでとう言ってない…まぁ後でいいか」
ちょっと強引だったけど私は放課後が少し楽しみになった
早く行きたいな
(榛名よく頑張ったな)(うっせぇ!)(放課後も頑張れよ)(う、うっせぇ!//)
榛名さん誕生日おめでとうございます!
間に合ったかな?
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