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短編A
現実の恋(泉夢・前編/切甘)




あぁ〜と、なんで
私コンビニにいるんだろう。


たしか…
今日もいつも通りに学校行って友達と話して遊んで、えっと…
後は、いつもより疲れて早めに寝たしかないなぁ〜




てことは、これは夢か!


うん、そうだ!
だってこの状況…


「好きだ。
付き合ってくれ」


絶対に夢だ!!





そう私は只今、夢の中であ・の!おお振りの泉孝介から告白されてます!


流石夢だ…


「は?」


「あっ!いや、何でもないデス。


えっと、なんで私…なんですか?」


「永良がいいから


つか、好きになる理由なんてねぇし」



やばい!泉がカッコいい!顔は天使のように可愛いのに…
てか私はいつ泉と出会ったんだ?


「あのさ、私達って会ったことありますか?」


「いや、ない」


やっぱり…
彼にとっては初対面じゃないみたいだけど
私はある意味初対面だからいきなり付き合うのは抵抗があるな…


「えーと…


まだお互いに
自分達のこと知らないから友達からじゃ駄目かな?」


「…!それでいい」


「じゃ知ってると思うけど、永良秦です。


これからよろしくお願いします♪」


「俺は泉孝介
よろしく」


まぁそんなこんなで友達なった私達


それからは色々あった。
毎日泉くんは会いに来てくれたし、毎日話もした。


そんなことがあって、もともと泉のこと好きだった私はなんやかんやで付き合うことになった。






そして今日私達はショッピングセンターに来ていた。


「あっ、これ可愛い!」


「秦の柄じゃないな(笑)」


「むっ!べっ、別に欲しいなんて言ってないじゃん!
…ただ二つあるからお揃いにできると思っただけ」


「じゃ買おうぜ」


「…!うん♪」


雑貨屋でありきたりだけどお揃いのストラップを見つけて2人で買った。


その後は適当に回って
とても楽しい買い物になった。




帰りに近くの公園に寄っていくことになった。



「(あぁ、幸せだな。
ずっとこんな時間が続けばいいのに…)」


そんなことを考えていたら、孝介が急に私のことを抱き締めてきた。


「ちょっ!ど、どうしたの!?」


「…っ」


「孝介?」


孝介の様子がおかしいことにはすぐに気づいたけど、私にはなんでかわからなかった。




けど次の瞬間、私は気づいてしまった。


私の…


「…、…っでくれ」


いや、私達の


「…さめないで、くれ」


夢が終わる


「夢なら、さめないでくれっ!」


その時がきたことに…



私は孝介に抱き付きながら泣いた。


「さめ、ないで…
夢、さめないでっ!

この時間が、ずっと続くと思ってた…
ずっとこうしていられると思ってた…

だから!

ユメに、ならないで!ユメに、しないで!」


どんなに足掻いても
この結果は変わらないこと
どんなに願っても
さめない夢はないこと
どんなに想っても
この夢が現実にならないこと


私はわかってた。



でも、夢の中で恋したこの気持ちは本物だから…
夢でも私にとって現実だから…

だから
さめる前に言わせて


「私は、泉孝介を愛していますっ!」


「…!俺も、永良秦を愛してるこれまでも
これからも愛してる」


私達はお互いに目を閉じキスをした。


最初で最後のキス




それを最後に私は目を覚ました。
私の目に入ってきたのはいつも通りの風景だった。


「…私の部屋だ。

じゃやっぱりあれは夢だったのかな…」


長くてリアルな夢だったな、だってまだ唇があったかいのに…
なんてことを考えていると頬を何かが濡らした。


「…!あれっ…
なんで、涙が…?」


私の意志とは関係なくどんどん溢れてくる涙にいつの間にか声を出して泣いていた。

母さんが心配して私の部屋に来る、それまでずっとずっと泣いていた。



泣いても泣いても貴方に伝わることのないこの想い
変わりはしない貴方への気持ち




「会いたいよ!」




ただ貴方を想って泣いたその日
全てが夢で終わったと思わないように…


私は泣き続けた。


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あきゅろす。
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