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頑張る君に(骸/甘)
「つっ…………かれたあ」
ソファにだーいぶ!かばんも上着も何もかも投げすて見事俯せに寝転がった私は全身の力をぬいた。疲れた日は何をする気もおきない。こうして寝転がり、睡魔に身をまかせるのが一番。
そういえば骸さん達は帰ってきたのかなあ、なんてまどろむ頭の中で考えていると「おや」と大好きな彼の声が。少し体を起こして横を見ればコーヒーとチョコレートというリラックスタイムな骸さんが部屋に入ってきたところだった。あ、あのチョコレート冷蔵庫にあったやつだ。
ていうかなんで骸さんがここに…
「僕の部屋で何してるんですか?名前」
僕の部屋?
鈍い頭であたりを見回せばあらあら、ここ骸さんの部屋じゃんか。自分の部屋より落ち着くからだろうか、無意識に骸さんの部屋に来たらしい。
「骸さん…ごめんなさいまちがえました…」
「クフフ、そのようですね。どうやらお疲れですか?」
「はい…」
「ではそのまま寝てなさい。そのソファは貸しますよ」
「あ、そんな、今移動、します……」
意思なんてお構いなく疲れた体は動いてくれない。でも動かなきゃ、と体に力をいれようとしたけど骸さんが「大丈夫ですよ」って言った。
「でも…骸さんの座る場所がないんじゃあ…」
「クフフ…そうですねえ」
ソファの前のテーブルにマグカップを置いて、顎に手をそえ考えるような仕種。けど右手にもったチョコレートが合ってなくてなんだか可愛い。
何か思いついたような顔をした骸さんは、私の頭があるほうのソファに座り「どうぞ」の一言。
「…ひざ、まくら?」
「ええ。これなら僕も座れますし、名前も寝られる。一石二鳥でしょう?」
眠気がなかったらいやいやそんな!って断るところだけど(だって恥ずかしい)今は正直疲れてて断る気力もないよ。
それに「早く」って誘う骸さんの声は、とても甘美。断れそうにないや。
「おじゃましまーす…」
ごろん。寝転がると頭上から骸さん独特の笑い声が聞こえて、頭をそっと撫でられた。ああ、これだけで疲れがとれちゃう気がするよ。
「骸、さん」
「はい?」
「チョコレート…落とさないでください、ね…」
はいはい、
そう言う骸さんの声はとても優しかった。
お疲れ様です
シリーズとして続きます←
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