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年下の彼1(雲雀HB/5歳)




部活帰り公園に立ち寄ると砂場にしゃがみこむ小さな背中を見つけた。


「恭弥くん、何してるの?」


「おねーさんだ!」


雲雀恭弥くん。庶民的な私の家の隣にある大きな家に住んでいる4歳の男の子。
真っ黒でつやつやの髪と、ちょっと鋭い目つきが特徴的ですっごく可愛いんだ。


恭弥くんの隣にしゃがみこむと恭弥くんははにかむように笑った。そして目の前の砂でつくった山を見て「お城」と小さく呟いた。


「お城かあ。ねえお姉さんも一緒につくっていい?」


「うん、いいよ」


「よし、頑張ろ!」


制服の腕の裾をまくって、砂に水を含ませ泥になった土を固めていく。少しのばした爪の中に土がはいってしまうけど気にならなかった。


「…できた」


「完成だね!恭弥くんすごい」


「…お姉さんが、いたから」


「あはは、そう言ってくれて嬉しいな。…あ、恭弥くん」


恭弥くんの頬に土がついていて、とってあげようと思った自分の手も汚れていたからくすっと私は笑った。そしたら恭弥くんもほころぶ。

…可愛い


「もう日が暮れるね、さ帰ろうか」


「…やだ」


「でもお母さん達心配するよ?」


「今日は帰れないって言ってた」


「そっかあ…でもどっちにしろね、もう恭弥くんが外に出てるには遅…」


「もう僕子供じゃないよ!」


「あら?ごめんごめん、でも恭弥くんはまだ4歳でしょ」


「5歳だよ」


「え?」


「今日…誕生日だもん…」


ああそうか、と私は思った。恭弥くんは1人で家にいるその寂しさにたえられなかったんだ。だからここで1人で遊んでいて、今帰るのは嫌で。

せっかく誕生日なのにね…


「おいで」


「おねえさん…?」


「私の家においで。私のお母さん達もいるよ。お姉さんがごちそうつくってあげる!なにたべたい恭弥くん?」


「え…とハンバーグ…」


「ハンバーグね!うんうん、…そうだ!ナミモリーヌでケーキ買おう!」


「ほんと?」


目をきらきらさせて私を見つめる恭弥くん。やっぱり子供。
本当に、可愛い。


「うん。じゃあおててあらって並盛商店街いこっか」


「迷惑…じゃない?」


「そんなことないよ!むしろ嬉しいなっ」


「なんで?」


「だって恭弥くんの誕生日、一緒にお祝いできるんだもん」


ぎゅむっと抱き着いてきた恭弥くん。制服よごれちゃうなあと呑気に思いながらその小さな体を抱きしめた。…というか手が泥だらけなので腕で。我ながら変なかっこ。


「僕、おねえさん、大好き」


「!…私も恭弥くん大好き」


「ほんとっ?」


「本当!」


「じゃあ、僕おねえさんをおよめさんにむかえにいくからね」


「え?お嫁さん?」


「いや…?」


ちょっと体を離して恭弥くんの顔を見ると悲しそうな顔。その顔に弱いんだよね私…!

というかこれは子供の約束。可愛いもんじゃないか。きっと忘れてしまうんだろうな…


「いいよ、待ってるね」


「うん!僕おねえさんを守れるくらい強くなるから」


恭弥くんの言葉に胸がきゅんとする。可愛い可愛い可愛い!
もうこの子お持ち帰りしたい、あ、今日するんだけど!

考え事をしてると頬に柔らかいものが触れた。…って


「約束だよ」


突然のほっぺちゅうと、夕日をあびた恭弥くんに何かさっきとは違う胸のときめきを感じた私。

まさかね、と今の私は笑ったのだった。




(5歳の君は)(無邪気な子供)






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あきゅろす。
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