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中編
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「街の平和を乱す怪人め!今日こそ成敗してやる!」

「ふっふっふ・・・。簡単にはやられんさ。」

クラナガン中心街。
今日は祝日という事で街は人で溢れていた。
その中、街の広場に設けられた大きなステージ。そこの周りには多くの子供が集まっており管理局が開催するヒーローショーが行われていた。

その名も『次元仮面クラナンジャー!』

主演、機動六課キール・ヴァンガード。
子供から大人気のキールが前から積極的に参加している副職のようなもの。
キールは意外と演技者でありノリノリであった。

「くらえ!次元キック!!」

「ぐあああぁぁぁ!!」

見事なまでの飛び蹴りが怪人に直撃し大げさに吹き飛ぶ。見事に着地したキールは観客である子供たちに手をふり大きく息を吸う。

「みんな、応援ありがとう!」

「わああぁぁ!!」

なんと気持ちの良いことだろう。
子供たちの笑顔に向かって手を振るとなんだかこちらも元気になってくるかもしれない。
そうして会場の子供たちに手を振りながら観客席を見渡すと隅っこになんだか見覚えのある金髪の女性が目に入る。

(うげっ!!?フェ、フェイト・・・・どうしてここに・・・・。)

「・・・・・・。」

観客席の端っこにいたのフェイト。今日は普通に業務のはず。
キールは休暇をとってこのヒーローショーに参加している。さらにキールがこのヒーローショーに参加しているのは六課には誰も言っていない。
しかしずっと硬直するわけにもいかず演技を続ける。

「君たちが呼んでくれればいつでも俺は現れる!さらばっ!」

そう言ってキールは会場を出て裏へと逃げるように入っていく。

「お疲れ様、次は午後の部だ。頼むよ。」

「は、はい・・・。」

キールの事情を何も知らないプロデューサーは肩を叩き大笑いしながら奥と入っていく。
これから1時間後、午後の部としてもう一回ショーをやる。
そこにまたフェイトがいるとなれば恥ずかしくてセリフを忘れてしまうかもしれない。

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