[通常モード] [URL送信]

中編
第九話

風呂が湧いた後最初に入ったのはアレックスだった。
風呂に入りながらも綺麗に整頓されているか、汚れているところはないかと隅々までチェックし自分はさっさと体を洗い頭にタオルを乗せ、濡れた髪を乱暴に拭く。

その後なのはと交代しアレックスは再び隣の部屋へと行き布団を出していた。なのはをベットへと寝かせ、自分はソファーにでも寝れば何の問題はない。
アレックスはそう思いながら必死に冷静を保とうとしていた。

遠くから聞こえるのはシャワーが流れる音。自然にその音が耳へ入り込みアレックスは赤面してしまう。
いくらなのはの前で冷静を保っていてもアレックス自身も一人の年頃の男。
どうしても気になってしまう年頃なのであった。
さらに自分の部屋に女性など一回も入れたことがない。その緊張で先程からアレックスの手は震えが止まらなかった。

「よし・・・。こんなもんか。」

アレックスはソファーに布団をかけただけの超簡易ベットを見て満足そうに頷く。今の状況となってはこんな簡単なことでも達成感を感じるほどアレックスは冷静さを失っていた。

そうするとガチャリと扉開く音が聞こえそちらに視線を向けるとタオルを首に巻きながら髪を拭いているなのはの姿がいた。
先ほど渡したジャージの胸元が少しきついのかチャックを軽く開けている姿にアレックスは顔を背ける。
さらに今は髪を下ろしており滅多に見れない光景にアレックスは困惑する。

「アレックスさん、ごめんね。お風呂まで借りちゃって/////」

「大丈夫だ・・・問題はない。」

頭の隅っこで何故か指パッチンの音が聞こえたが気にしないことにする。
時計をチラリと見ると既に9時を回っており今日歩き回った事による疲れがアレックスも襲ってきて眠気が込上がってくる。
なのはとアレックス、同時に大きな欠伸を漏らし笑い合う。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!