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散る桜 (サイファー)

―――自分が生きている間に
誰か一人ぐらいは
幸せに出来る?

いきなり
話しかけてきて
内容がコレだ

「知るか」

足も止めず
振り返りもせず
俺は答えた

―――自分は誰かを幸せにしたい

俺の後ろをついてきながら
まだ 話してくる

「勝手にしな」

冷たくあしらうと
俺の前に立ち
命令口調で

―――自分も生きている間に
誰かを幸せにするから
おまえもしてみろ

そんな約束をするよう
言ってきた

くだらないし
面倒くせぇから
さっさとした

特に
何も考えずに...


 ※ ※ ※


リノアとスコールが去った後
桜の前に立った

こんなモンには
用はない

用があるのは
その下にある墓石

―――桜を見たら
誰もが幸せになれる

そんな事 言ってたな

「バーカ」

遅すぎるんだよ

持っていた酒を
その墓石に
すべて
かけてやった

「先に破りやがって」

背を向け
振り返る事もなく
歩き出す

桜の花弁が
風によって 散っていく

アイツの命が
散ったみたいに...

けっ
俺のガラじゃねぇな



 完



 あとがき

サイファーsideです。
相手が誰かは特に決めてないので、好きなように想像して下さい。



訂正:2008/02/13/水

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あきゅろす。
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