メガネの活用法( S+N )
まだお日様が顔を出していない薄暗い中
ラウンジキッチンでいつものように朝食を作るサンジ
今日は、パンにしようと決めて、昨日下ごしらえは終わっており、後は焼くだだった。
オーブンに様々な形をしたパンを入れて、サンジは少し一息付くためにコーヒーでも飲む事にした時、
いきなりラウンジの扉が開いた。
振り向くと其処にはガウンを纏ったナミが寒そうに入って来た。
「あれ?サンジ君って眼鏡かけるんだ。ダテ?」
「ナミさん、早いね。もしかして徹夜かい?」
「当たり。夢中で呼んでたらいつの間にか朝がきちゃった。」
温めたお湯をコーヒーではなく、ナミに出す紅茶に使う。
そっと音もたてずに置かれたティーカップに、ナミはお礼を言ってから紅茶を一口口に含んだ。
徹夜明けでだるい身体に、染みるように広がる美味しさに自然と笑みが零れた。
流石はルフィが見つけたコックだ。
私の好みと、身体の調子に配慮しての紅茶は、また格別だ。
同じ茶葉で、同じように入れているつもりなのに、彼の様な美味しさは一度も出せた試しがない。
私の笑顔にサンジ君は嬉しそうな顔をしているが、
それは、私が紅茶に満足している様子にではない事は分かってる。
( 上手く話しを逸らせたと思ったら大間違いよ、サンジ君?)
「所でサンジ君。目が悪いの?」
暗に私は誤魔化されないわよっと含ませると、
彼はナミさんには敵わないなぁっという顔をした。
「ええ、そうなんです。普段はさして差し支えはないんですが、
レシピなんか書いたり、整理する時なんかにはね。」
苦笑しながら教えてくれた彼に、お礼とばかりに笑顔で爆弾を落としてあげた。
「そう・・・・・・
だからサンジ君、ゾロが服を脱いで鍛錬してたり、風呂上りの時なんかは眼鏡かけてるのね」
ニコッと、爽やかとはかけ離れた、
後ろに悪魔の尻尾が見え隠れする笑顔で告げたセリフにサンジはビシッと固まってしまった。
( あら、凄い汗)
固まったまま、だらだらと汗を流すサンジに心の中だけで可笑しそうに笑うナミ
「ナ、ナミさん?」
「なぁに?」
男視点から見て一番可愛いと思う、場所まで首を傾げ
ナミはさぁどうでるかしらと言わんばかりに微笑んだ。
この場にウソップとチョッパーがいたなら、
確実に回れ右をして、即この部屋から出て行っただろう。
しかし未だパンも焼けておらず、
その上女性を前にしてそそくさと逃げるように部屋を出るなんて真似はサンジには出来なかった。
サンジはぎこちない引きつった笑みを浮かべるしか出来なかった。
暫しの間ラウンジ内に沈黙が訪れたが、それはサンジのおかげで直ぐに消えた。
サンジは、
ナミの悪魔のニコニコ顔に、終には負けましたとばかりに顔がガクッとたれた。
「フフフッ」
満足なサンジの態度にナミは始終笑顔だ。
だって、サンジという男は、次に自分がどう行動したらいいのかをきちんと理解しているのだから
こちらとしては、話の分かる男でとても助かっているのだ。
時に鬱陶しい時もあるけど、慣れた今は別に無視してても
勝手に向こうが盛り上がってくれるので扱いやすいものだ。
何気に酷い事を言ってるのだが、これがもう定着してしまったやり取りでもあるし、
サンジも使命とばかりに喜んでいるので、別に気にしてない。
顔を上げたサンジは引きつった笑みでポケットから財布を取り出した。
(ほらね?やっぱりサンジ君は良く私の事を分かってるわ♪)
「ナ、ナミさん・・・この事幾らで内緒にしててくれます?」
( ほら予想通り)
流石サンジ君vV
にっこり(?)と微笑む反面
そんなにばれたくないのねっという必死さに内心苦笑が漏れた。
「そうね。」
折角此処まで予想通りに動いたのだから、少しはまけておこかしら
END.
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自分のメガネを見ていたら、思い浮かんだもんです。
きっとサンジだったら、余裕でしてると思います!
もう少しナミの小悪魔っぷりを表現したかったのですが、管理人にはこれが限界でした(>_<)
[2013/2/19]
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