何でだ!?( S→→→Z)
いつも通り甲板でうたた寝をしていたゾロ。
其処へいつもの様、にサンジが夕食だと言って起こしに来た。
最近のサンジの起こし方は、最初に比べると180度変わったと言って過言ではないと思う・・・・・・
いつからだったか・・・・・・そうだ、チョッパーが仲間になって少しした辺りから変わりだしたんだ
どう変わったか?
それを言われると、一言では説明しづらいものがある。
兎に角、最初の頃は蹴り起こすのがあたり前だった。
・・それなのに・・・・・・・
・・・・今のサンジは
起こす時になぜか俺にキ・・・キスをしてくるんだ・・・・・
しかもこの前なんかは舌を入れやがった!!!
いやがらせとしか思えないこの行為。
でも女好きのこいつがこんな事をするとは思えない。
なら何でだ?
サンジを見かける度にそんな疑問が沸いてくる
何でこんな事をするのか問いただそうとすると、
何だか寒気がする目で俺を見て、また顔を近づけてくるから、いつも反射的に殴ってしまっていつも聞きそびれてしまう。
・・・本当に・・・・
あの蹴り起こされていた頃が懐かしい・・・・・・・
と、兎に角そう言い切れる位、今のサンジはオカシイんだ!
なのに他の奴らときたら、
最初こそ驚いていたが、日常茶飯事になった今では楽しんでいる時もある。
・・・・まぁ、腹は立つが、今はそんな事置いとくとして・・・・
兎に角俺は、空いたお腹を満たしにキッチンに向かう事にする。
だったら何でいきなりそんな話をしだしたのだ、だって?
そりゃ、今さっきも例の如く、
頭が沸いたとしか思えない、薄ら寒い起こし方をしたからに決まってるじゃねぇか!
今回は俺に覆いかぶさって来た時に目を覚ませたから、
男にとって一番痛い急所を思い切り蹴飛ばしたので当分は立つことも出来ないだろう・・・・・・
立つことも出来ず痛さに身悶えているサンジを、
視界の片隅にも入れることなくゾロは甲板を後にした。
ゾロがキッチンの扉を閉めた後でサンジが
「不能になって困るのはてめぇだぜぇ・・・ハニィー・・・・・・」・・・と、
痛さに肩を震わせながらの呟やきは不幸中の幸いか・・・・ゾロに聞かれることはなかった。
もし聞かれていたら
今度こそ再起不能になる位の痛手を味わっただろう・・・・・・・
* * *
「おい、少し話がある」
キッチンで食事を終え、風呂に入ろうと席を立ったゾロは
サンジの言葉に分かりやすい程のしかめっ面をした。
普段の怖い顔は消え、そのどこか幼さの残る顔を見て
サンジは緩む頬を必死に奮い立たせ、真剣にゾロの言葉を待った。
「風呂の後でもいいか?」
「あぁ、かまわねぇ。俺も片付けがあるからな」
苦々しい顔をしながらもゾロから了承を得た事に、歓喜に舞い上がり、
緩みきってしまった顔を隠しもしない俺を、皆が怪訝そうな目で見ていたがそんな事、今の俺にはどうでも良かった。
因みにゾロは気持ち悪りぃ、と完全に引いていたが、
流石普段の鍛錬のおかげか表には全く出る事はなかった。
( この一夜で決めて見せるぜ!)
意気込みを胸にもう一度刻み込み、俺はフルスピードで夕食の片付けに取り組んだ。
* * *
「皆寝たのか」
「お・・・おぅ。早いじゃねぇか。こっちはもう少しだ。酒出すから、それでも飲んで待ってろ。」
そうサンジに言われゾロは、
椅子に座り酒を飲みながらサンジが明日の仕込みを終わらせるのを静かに待つ。
他の皆はもう寝に言ったのだろう・・・・・誰一人キッチンに残っていなかった。
風呂から上がり返ってきたゾロの第一声に分かりやすい位動揺していたサンジ
―― 実はサンジがゾロと二人っきりになる為に、
あの手この手で皆をキッチンから追い出したのを、ゾロは知らない。
[2012・4・14] [2013/2/22加筆修正]
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