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SHORT Novel
死ねば良いのに… [臨静]

「今日からここで働くことになりました。平和島静雄です…よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げて挨拶すると、回りからチラホラと拍手がくる。
この仕事で何度目だか分からない同じ光景を、静雄は何処と無く客観的に見ていた。

―今回は、上手くできるだろうか…

その仕事はスタッフも少なく、前の仕事みたいにあまり変な客も来なさそうな落ち着いた場所で、ここでなら暫くはきちんとできそうだ、と安堵する。
店長も、
「気楽にやってくれて構わないから。ここはそういう場所だしね」
と気軽に言ってくれたので、静雄はいつもよりも、長く持つのではないかと期待に胸をふくらませた。

今回の仕事はとあるBarのバーテンダー。
暗い大人の雰囲気が、静雄の気持ちを落ち着かせる。客も年長の人が多いため、静雄は安心して業務をこなしていた。

最初は色々不慣れな所もあり、大変だったが今ではある程度のことはこなせるようになっていた。

「マティーニを」
「はい」
短く応え、慣れた手付きで静雄はウィスキーをつくりお客の前に出す。
そんな様子を、店長達は満足気な表情で見ていたりなど、とても穏やかな日々だった。


しかし…

「あ、シズちゃんだ!」

数週間後、悪魔の声と共にそれは起きた。

「うわぁ、シズちゃんがバーテンさんやってる!なんかすごい違和感」
「っ…手前…!」

その場にそぐわない黒いファーつきコートに身を包んだ青年、折原臨也。
彼は静雄がもっとも嫌う男…。

「何しに来やがったノミ蟲」

店の中のため、爆発はせずしかし怒りを露にした言葉で静かに聞く。

「俺の愛しのシズちゃんがせっかく仕事を変えて新しい職業についたんだよ?だったら、彼氏である俺が行かないで誰が行くのさ」
「別に手前は俺の彼氏じゃねえし、手前以外でも人は来るから安心して帰れ」
「えー!い・や・だ♪シズちゃんの働いてるとこ見たいし、それに俺、客だよ

ペラペラと軽い口を動かし自分がここに来た理由を話す臨也。
静雄はそれを、近くにあったグラスを拭きながら、必死で耐えていた。

「で…一体何しに来やがったんですかこのノミ蟲野郎死にやがれ。頼むなら早めにお帰りお願いします変態うざや」
「敬語になりきれてないよシズちゃん。しかも所々怖いセリフ入ってるし」

冷や汗を少しかきながらも、臨也は静雄に注文をおくる。
「じゃあ、俺はシズちゃんがいつもつくってるやつが飲みたいな」
「…ッチ」
「なぁんで舌打ちしたのかな?シズちゃん」

―面倒だから一番簡単な奴作ってやる。

静雄は頼まれた品を作るため、シェイカーに手を出そうとした。
しかし…

「あ、シズちゃん。それじゃなくて、こっちつかって」

臨也が指を差したのは、ステアだった。
「それでつくってくれる?」
にこぉっと笑いながら、臨也がねだる。

―なんでこいつは一々面倒なもんを…


ステアとは、ウィスキーなどを作るときに使うもので、使い方が難しく一流のバーテンしか使わない。

「どーしたの?シズちゃん、はぁやぁくぅ!」

「うるせえな。…チッ」
舌打ちしながら、ステアに手をかける。
そして手に持っていた拭き途中のグラスを置こうとしたとき、ふと臨也が言葉を発した。

「あ、そうそうシズちゃん。これ飲み終わったら、俺んち行こうね」
「は?」

―意味が分かんねえ…

「なんで手前んちに行かなきゃならねえんだよ」
「決まってるじゃん。俺とシズちゃんがにゃんにゃんするためだよ」

にっこぉと笑いながら、臨也が幸せそうに言った。

「今日はナニしていじめてあげようかな♪」


ブチッ


そのとき、静雄の中のなにかが音をたてて切れた。


バリンと、静雄が拭いていたグラスが割れる。
そしてそのまま破片は地面へと落ちて行く。

わなわなと震え、静雄が口だけをニヤリと歪ませた。
「臨也…」
「ん?なぁに?シズちゃん」

「死ねやあぁああぁあぁ!」

近くにあった、ボトルが置かれている棚を持ち上げ、静雄は臨也に向けて投げつけた。

しかし、臨也はひょいと意図も簡単に避ける。
「もう、危ないなあシズちゃんは。普通お客に棚投げる?」
「うぜえんだよ!!死に曝せ!」
臨也と静雄が大暴れし、Barは半壊した。

臨也は何時ものようにまた、静雄の前から消えていった。


「また、来るからねシズちゃん。そしたら俺とがいっぱいいじめてあげるから」
満面の笑みで、こんな言葉を残して…


そして静雄は、店を半壊させたため、また職場探しに戻るのだった…。


あとがき
ただテレビでバーテンさんが出たからと言う理由でかいた突発的gdgd話

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