1 あれからいつも乗っている線の電車に乗っていた。 慣れで無意識に乗ったみたいだった。 慣れというのはすごいことだ、っと感心している場合でなかった…。 あの告白から私は顔面蒼白であると思う。 ただでさえ初の告白だというのに、あんな格好いい後輩に言われたら混乱もするしだろうし戸惑うのも当然であると思う。 電車内は帰宅ラッシュで座るところがない。 私はドアの方を向いているけど、ドアに映った自分の顔はひどいものだった。 確かに初の告白というのもあったけど、それだけでこんな風になったわけではないととも思う。 本音を言うと、私は今の日常が変わるのが怖いんだ。 別に今が幸せというわけではない。 むしろ幸せでない、でもなぜか怖い。 それに自分と新たに深い関係になる人ができてるのが怖いのもあるかもしれない。 なぜなら自分に自信がないから。 相手が自分のことを知っていくうちに嫌いになって、離れられるのが怖いんだ。 でも自分に好意を寄せている人がいるのはすごく嬉しくて、その好意に応えたいという気持ちもある。 私は心の中で葛藤をしていた。 たぶん私は心の奥底で後輩くんと付き合いたいと思っている。 後輩くんといると楽しいし、励ましてくれるし、自分を必要としてくれているので自分の存在価値がなんとなく分かるような気がするからだ。 でもその気持ち以上に怖くて進めない。頭の中がぐちゃぐちゃで… どうしたらいいんだっというのが私の今の正直な心情である。 もっと言ってしまえばこの状況から逃げたい気持ちでいっぱいだった。 [次へ] |