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庭球ゲーム
とばっちり(ジャッカル)
それは自分にとっては些細なことだった。ブン太と話していた時に、たまたまその横を通りかかった羽海野に呼びかけられたのがそもそものことの始まりで…

羽海野「桑原ってそういやみんなからジャッカルって呼ばれてるよね。なんか、そっちの呼び方のほうが好きな感じするから、あたしもジャッカルって呼んでもいい?」

女子からいきなり名前で呼んでいいかと言われてちょっと面食らったが、相手はあまり女子っぽくない羽海野だったから男友達を相手にするような感覚でついOKしてしまったのがいけなかったのだ。更に、調子に乗って余計なことを言ったのはもっといけなかった

ジャッカル「じゃあさ、俺もお前のこと下の名前で呼ぼうかな、しずくって」
羽海野「お〜、別にいいよ?」

そして…半ばその場のノリで言ったつもりだった提案があっさりと承諾されてしまったのが運の尽き。じゃあね、ジャッカル…と言い残して羽海野が立ち去ったあと、すぐに背中から刺さるような鋭い視線を感じて身震いがする。恐る恐る後ろを振り返ると…そこに立っていたのは案の定、幸村だった

幸村「やぁ…ジャッカルは随分と彼女と親しいみたいだね?」
ジャッカル「ゆ、幸村…!」

顔は笑っているのに目が完全に笑っていない幸村を見て、ようやく俺は自分がとんでもない失態をやらかしたことに気づく
蓼食う虫も好き好きとか公私混同とか的を得たところで何一つ役に立たない慣用句が脳裏を駆け巡ったが、もうあとの祭りだった

幸村「ジャッカルとは一度ゆっくりと話をしないといけないな」

フフ、とどす黒いオーラをまとった幸村を見て、果たして俺はこの合宿から無事に帰ることができるのだろうか…と、恐怖にも近い不安を抱いて、これからの行く末を案じたのは言うまでもない

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あとがき

ジャッカルは人に気を使えるわりには肝心なところでうっかりさんだと思う件について
あと幸村は独占欲強そうだなと立海海ハーと割り込みを見てつくづく感じた

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あきゅろす。
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