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庭球ゲーム
かわいいひと(甲斐)
*甲斐×ヒロインです。ヒロインがただのセクハラ親父と化してます、閲覧注意

日に焼けた健康的な肌、しなやかな手足は鍛えられて綺麗に引き締まっている。わさわさとした無造作な髪型、少し彫りの深い整った顔つきに似つかわしい大きなまん丸の瞳。甲斐裕次郎…初めて見た瞬間から、なんだこの可愛い生き物はと思った

羽海野「か〜いっ!」
甲斐「うわっ…!」

夕方偶然、管理小屋の近くを一人で歩いていた甲斐を見つけて背後に忍び寄ると、ギリギリのところで後ろから飛びつくようにしてぎゅっと抱きつく。急に抱きつかれて少しよろけたが何とか踏みとどまると驚いた様子で顔をこちらへと向ける

甲斐「や、やーはまたいきなり何するさ…!」
羽海野「甲斐は驚くと大きな目がもっとおっきくなるのな、可愛い」
甲斐「人の話を聞いてるさ?!」

少し怒ったような眼差しを向けられて、怒った顔も可愛いよと呟いてからその背に顔を埋める

羽海野「ちょっとしたスキンシップじゃん。甲斐の背中は広くていいね、抱きつくにはもってこいだ」
甲斐「どこがちょっとしてるんさ!それに女子が簡単に男に抱きついたら駄目やんに…!」

女子からのスキンシップにはあまり慣れていないのだろう、体をぎゅっとこわばらせ顔をほんのりと赤らめる。抱きしめたのは初めてだが、自然を装って腕を絡めたり、何気ないボディタッチを何度か繰り返しても毎回返ってくる初々しい反応もたまらない

羽海野「人を抱きつき魔みたいにいうなよ。あたしは甲斐だから抱きつくんであって、他の男に抱きついたりしないし。甲斐は可愛いから大きなぬいぐるみみたいで、何か無性に抱きつきたくなるんだよね」
甲斐「な…何ば、それ。だいたいさっきから人のこと可愛い可愛いって…馬鹿にしてんのか」
羽海野「馬鹿にしてない事実を述べているだけ。可愛いじゃん、甲斐は。あんまり可愛いと食っちまうぞ」

手を頬に添えて顔を近づけるとぎゅっと目を閉じて顔を背ける。そのまま指先で頬を撫でると、びくりと肩を震わせた

羽海野「…キスでもされるかと思った?」

手と体を離すと恐る恐る目を開ける甲斐に向かってにっと笑いかける

甲斐「そ、そんなわけ…やー、人のことからかったんさ?!」
羽海野「まさか…本気」

声を荒げてこちらを向き直る甲斐に近づくと襟元を掴んでぐいと顔を引き寄せると、面食らった一瞬を狙って軽く唇を重ねる。唇を離すと一瞬で顔を真っ赤にして勢いよく後ろにあとずさる

羽海野「甲斐は可愛い。顔も中身も…眠くてあくびしてるとこも、元気に動き回ってるとこも…楽しそうに笑ってるとこもみんなみんな可愛い。甲斐みたいに見た目も中身も何もかもが可愛い子、初めて見た。あたしは甲斐が好きだよ、甲斐の可愛いとこ全部独り占めにしたいくらい愛しい」

ゆっくりと近づいて頬を両手で包むとまっすぐに見つめる。どうしていいか分からないといった顔つきで甲斐が私を見下ろす

甲斐「やー、そんないきなり…」
羽海野「いきなりなのは分かってるけど、伝えとかないとと思ってさ。だって、あたしらいつこの島から出て行くか分からないだろ?チャンスは大切にしないと」
甲斐「けどよ、やーには順序とかないのか?あと、やっぱり可愛いは男に言う言葉じゃないさ」
羽海野「順序はともかく、可愛いに関しては譲れないな。ただ…男らしくないって思ってるわけじゃないよ、ちゃんとしっかり一人の男と意識した上で可愛いと思ってる」
甲斐「喜べばいいのかそうじゃないのか分からないやぁ」

困ったように呟く甲斐に笑いかけると真正面から腰に腕をまわして抱きつく

甲斐「羽海野、わんは…」
羽海野「甲斐があたしのことほんとのとこどう思ってるかは知らない。でも、少しは脈があると思ってるんだけど…勘違いだったかな?」

ね?と上目遣いで尋ねると甲斐が顔を赤らめたまま固まる

甲斐「わ、わんも…羽海野のことは気になってた。やーは変わってるけど、気取らないから話しやすいし…わん、やーの明るくて前向きなとこは結構気に入ってるわけよ。ただ、正直いきなりすぎて頭がおいつかないさ」
羽海野「ま、そらそうだわ。いいよ、嫌いじゃないなら今から意識してくれればそれで。ちなみに甲斐が気になってたとか可愛いこと言うから、今すぐ甲斐をお持ち帰りしたいくらいの衝動にかられている」
甲斐「だ、だから話が飛びすぎさ!」
羽海野「九割九分九厘、本気」
甲斐「それは本気すぎるだろ?!」

的確にツッコミを入れる甲斐の頭を撫でてから、甲斐の胸に頭を埋めて抱きしめている腕に少しだけ力をくわえる

羽海野「もう少しだけ、こうさせて?」
甲斐「お、おう…」
羽海野「甲斐、ドキドキいってるよ」
甲斐「やーのせいやし」

照れたように視線をそらす甲斐の顔を見て、ああ…ほんと離したくないと思ってしまった

ーーーーーー
あとがき

アニメの甲斐くんの可愛さに衝撃を受けて、あんな可愛い生き物が目の前うろちょろしてしてたらそら〜襲いたくなるわという思いのままに書き上げた。後悔はしていない
前回凛くんの話では書かなかったわんとかやー表記を今回は試みてみました

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あきゅろす。
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